ライナス・ローチ2005年08月14日 19時10分33秒

バットマン・ビギンズ(2005)
LINUS ROACHE  1964/2/1 UK

ライナス・ローチはショーン・ビーンとは対極にあるほどまたイメージの違う英国俳優だ。見るからに繊細でその細身の身体はやもすればポキっと折れてしまいそうだ。彼を最初に観たのは「鳩の翼」だったろうか。多少複雑なキャラクターだったと思うが、ヘレナ・ボナム・カーターのなすがままに翻弄され悩む姿は哀れを誘い同情してしまった。
また「司祭」での彼が更なる苦悩に溢れる役で、これでノックアウトされたも同然。「司祭」はいわゆるゲイムービーで、彼の繊細さがどれだけ作品に活かされていたか想像していただけると思う。(ちなみにお相手はロバート・カーライル!)。
この人はあまりハリウッドメジャー作品では見かけないがTVMの社会派ドラマなどで主演していたりして作品選びにポリシーが感じられる。繊細さと無表情の時の冷たい感じ、感情を爆発させた時のヒステリックな演技などこの人の持つ魅力もまた彼独特のものだ。見かけによらないややハスキーな声も好きだな。
初出:2005/3/26(土) 午前 11:42

追加:
ところが!ここ数年の間にハリウッド大作で顔を見るようになってきた。よろしくないのはその役と作品の出来!「リディック」「フォーガットン」なんて涙が出そうだ。どうしたんだ?
「バットマン ビギンズ」も一抹の不安を抱えて観てみたが・・・ほっとした。物静かなたたずまいと悲しげな表情。こうじゃなくちゃね。役柄が一辺倒にならないようにするのもいいが、脚本はよーーーーーく読んで出演を決めて欲しい。


既出コメント:

“司祭”は物凄い名作ですよね!ライナスのどこまでも真面目で、司祭である自分ともう一つの自分の狭間で悩む姿が良かったです。彼が主役だったからこそ、“ゲイだって普通の善良な人間なんだ。 ゲイで何が悪い!”と思えたんじゃないかなぁ~
2005/3/30(水) 午後 10:55 [ aikirin ]

“司祭”のローチの繊細さが神に仕える系役の基本になってしまったのでガエル君の「アマロ神父」にがっかりしてしまった私。「リディック」でローチを見て目を疑いました!どうしたんだ?何を思って出演を受けたのだ?
2005/3/31(木) 午後 9:34 [ mekabucchi ]

ライナスとカーライル、顔がよく似てきたなあ~と思う今日この頃です。立て続けに2本政治家に扮しているのを観た後で、「リディック」を観て卒倒しかかりました。「司祭」でいいなと思ったバード監督は「ラビナス」で私の中では不動の位置に!
2005/4/1(金) 午後 8:07 [ macalius_club ]

コメント

_ くりすてぃん ― 2007年04月23日 20時07分25秒

ずーっと前に教えてもらった「サイアム・サンセット」を観ました。
ライナスの真面目な雰囲気と四方八方に落ちてくる冷蔵庫が同じ映画とは思えません。
途中オーストラリアでのツアーバスの競り合い話はベタですが面白かったです。ここだけとってきてスティラー&ウィルソン(オーウェン)で映画にできるんじゃ?

終盤の展開に???な部分が多々ありましたが亡くなった奥さんを愛して愛して悲しみに沈むライナスが素敵だったのでOKです(笑)。

_ めかぶ ― 2007年04月23日 22時13分08秒

くりすてぃんさん♪
そうか、ライナスをUPした時はまだ「サイアム・サンセット」は観てなかったんだなー。
変だけど面白いでしょー。観られて良かったですね♪
確か、2005年のベストか次点に入れた気がします。オーストラリアの映画ってコメディでもドラマでもこういうちょっと変わってるのが多いんですよ。あの大地だってもっと美しくとれるはずなのにね?
こんな変な映画のオファーを受けてくれるライナスが嬉しい。

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