ミスティック・リバー2005年09月11日 19時14分39秒

ミスティック・リバー(2003)
ミスティック・リバー(2003)
SEAN PENN , KEVIN BACON

ミスティック・リバー MYSTIC RIVER
2003 米 監督:クリント・イーストウッド
ショーン・ペン ティム・ロビンス ケヴィン・ベーコン ローラ・リネイ マーシャ・ゲイ・ハーデン ローレンス・フィッシュバーン エイミー・ロッサム スペンサー・トリート・クラーク

「ミスティック・リバー」デニス・ルヘイン
MYSTIC RIVER by DENNIS LEHANE
(ハヤカワ文庫)

ボストンの労働者階級の街で3人の幼なじみの少年たちに事件は起こった。通りで遊んでいた3人の前に現れた何者かがデイヴ一人だけを車で連れ去った。数日後逃げ戻ってきた彼の身に何があったかは明らかだ。この事件は3人の将来に暗い影を落とす。ジミーとショーンも“もしあの時に連れ去られたのが自分だったら・・・?”

30年後、一人の少女が公園で遺体で発見された。少女の父親のジミー、担当刑事のショーン、そして容疑者のデイヴ・・・。3人は思わぬ形で再会する。
事件の真相を追う中で3人の内に流れるそれぞれの想いは、疑惑、怒り、恐怖、不安、後悔・・・また、懐古、郷愁、愛情・・・。ラストシーンのボストンを流れるミスティック・リバーがすべてを呑込んで流れるかのよう。3人の心情の象徴だ。

初めて劇場で観たときは特別に感慨深いわけではなかったのだが、後で原作を読みその深さに感銘を受けた。監督は原作の持つ雰囲気を保ちストーリーも沿っているが、結末は結論をぼかして観客にゆだねている。ショーンの捉え方が原作と決定的に違っているように感じられるがどうだろうか?

クリント・イーストウッド監督のもと、ジミー役にショーン・ペン、ショーン役にケヴィン・ベーコン、デイヴ役にティム・ロビンスという重厚にして絶妙なキャストが集結した。
デニス・ルヘインの原作をどこも変えずに映画化していたら事件の真相を追う立場のショーンが主人公になっていたはずだが、ジミーを中心に持ってきたのは正解だと思う。ジミーのキャラクターがとにかく異彩を放っていて、ペンの演技がそれを最大限に表現しているのは言うまでもない。心に傷を持ち大きな悲しみを抱えて常に“怯え”を感じるデイヴの演技が見事だったロビンス。そして終盤のパレードのシーンで、指で拳銃の真似をしあうジミーとショーンは観ていて震えが来た。ショーンの微妙な立場を表現するこのシーンのケヴィンの演技も秀逸。この作品の見所だ。

原作にはショーンと父親が一緒に呑む場面や、ジミーの家でショーンが妻の話をする場面など映像で観られたらよかったなーと思えるところが結構ある。原作を彼らの顔を思い浮かべながら読むのもいいものでぜひお薦めしたい。再度映画を観た時に深みが増し、感想も微妙に変化するかもしれない。

初出:2005/4/27(水) 午後 11:07


既出コメント:

少年事件のその後って・・・この映画をみてから社会事件も一段と悲しさを増しました。子供を性のはけ口にして欲しくないですね
2005/5/19(木) 午後 10:28 loveclip

事件の残虐さが3人の人生に絶対的な暗さをもたらしたということですよね。どうにもならない運命によってとてつもない悲劇になる。救われない話をすごいキャストと演出で見応えがありました。
2005/5/20(金) 午前 1:21 [ mekabucchi ]

楽しいばかりが映画じゃないんですよね。こんな後味悪いのに惹かれる映画ってすごいですね
2005/5/20(金) 午後 0:14 loveclip

私も時間をおいてもう一度見たいと思います。原作も読んでみたいです
2005/5/20(金) 午後 0:33 loveclip