ジェイソン・アイザックス2006年06月06日 21時36分32秒

ラブ・アクシデント(2004)
JASON ISAACS  1963/7/6 UK

悪役に魅力があると作品が面白い。憎らしければ憎らしいほど主人公を応援したくなるのが普通だが、人によっては悪役の方に惹かれてしまうことがある。私もそうなることが多い。
アイザックスはそれはそれは憎々しく悪役を演じるのにとても長けた人で、今それが一番際立っているのは「ハリー・ポッター」シリーズのルシアス・マルフォイ。ドラゴのパパだろう。とりわけハリーとハーマイオニーが好きな人には相当嫌われてるんじゃないだろうか。

記憶に残る悪役・敵役には他に「パトリオット」、「ソルジャー」、「ピーター・パン」(フック船長)などがあるがどれも見事だ。非常に英国人らしい細身でさらっとしたタイプのルックスはクールを通りこして、そのまなざしは凍るような冷たさが漂う。冷酷非道な物言いといい彼もハリウッドの悪役御用達英国人俳優と言えた。

が、最近にきてちょっと変化が。悪役でない顔に気づかれてきたのは彼への注目が高まってきたということだろうか?
「スウィート・ノベンバー」でゲイ役の彼を見た時は余りに思いがけなくて驚いたがいやはや全然違和感がない。線が細いので動きがしなやかなのだ。
英国人のスマートさは「ピーター・パン」で2役のウェンディのパパや「タキシード」のスパイなどで観られ、クラシカルなスーツ、タキシードがよく似合っている。
「アルマゲドン」にNASAの科学者ではインテリ風だったり、「ブラックホーク・ダウン」では逞しいところを見せていて印象的だった。
英国時代の作品をあまり観ていないのだが「ディボーシング・ジャック」での彼が良い。ここでも悪役なのだがこれはクライムムービーでいて辛口のコメディでもある。クールな顔を見せながらブラックな笑いがあり非常に面白かった。彼のラストには唖然とする。

さて、ここまでだったら取り上げるまでに至らなかったのだが、とうとう彼にもロマンチックロールがあるのを発見。「ラブ・アクシデント」なるふざけた邦題の作品だが、原題は"PASSIONADA"。ポルトガル系の女性に恋してしまい、あの手この手で迫る詐欺師の英国人のアイザックス。まったくかわいいのなんのって。ラブシーンも初めて見たがなかなか情熱的であった!

やっぱり芸達者な曲者アクターだったか。今後もハリウッド作品で様々な顔を見せてくれるだろう。ちょっと遡って英国時代の旧作も探して観てみようかな。

コメント

_ allusion1947 ― 2006年07月04日 07時13分19秒

こちらでは初めまして。
初めてなので、コメントのついてないのを選んで書き込みました。

ジェイソン・アイザックスは「ことの終わり」の神父役で出てきたとき、“こいつ、神父なんかやない。絶対、人殺しとる”と突っ込んでしまいました。
僕の場合、こういうノリで俳優を見てしまうので、イアン・ハートについても別の映画を見るたびに、「ことの終わり」の不憫な息子は元気にしておるか、と声をかけるわけです。

_ めかぶ ― 2006年07月04日 22時04分25秒

まあ、あるさん!お越しいただいてとっても嬉しいです。
お気を使っていただいて恐縮ですわ。

>“こいつ、神父なんかやない。絶対、人殺しとる”と突っ込んでしまいました。
あはは。爬虫類系の顔だし、ぬめっとした妙な雰囲気が役によっては微妙ですよねえ。
あるさんらしいツッコミはいつも聞いてて楽しいです。
また聞かせてくださいね。コメントありがとうございました~♪

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