ブルース・グリーンウッド2007年03月22日 17時51分18秒

華麗なる恋の舞台で(2004)
BRUCE GREENWOOD  1956/8/12 カナダ

近年、ハリウッドでは同じ英語圏の外国人俳優が活躍しているのを目にする。英国人は勿論だが、私が贔屓のオーストラリア人、そしてカナダ人俳優だ。
その中でも目立つのがこの人。90年代後半から目にするようになったが、2000年以降1年に3本は新作に出演している。傍役とはいえ、かなりのワーカホリックぶりだ。

最初に見たのは「ダブル・ジョパディ」でのアシュレー・ジャッドの問題の夫。普通すぎてすぐ顔を忘れた。この手のヒロインの夫とか主人公の父親役が多い。「スウェプト・アウェイ」はマドンナの夫。「レーシング・ストライプス」はヘイデン・パネッティアの、「愛ここにありて」はリーリ-・ソビエスキーの父親だ。

認識したのは「13デイズ」。なんとJFK役!本人にとっても大冒険だったと思うがまあまあの雰囲気だったと思う。評判が悪かったという話も聞いていない。まだハリウッドで顔がそんなに知られていなかったのが功を奏したのではないかと。この頃から彼の大進撃が始まる。地味な雰囲気がはまる役人、軍人のお偉方に始まり、サスペンスの悪役、敵役のオファーが続々。
「英雄の条件」「ビロウ」「ハリウッド的殺人事件」「スティール」「アイ,ロボット」は、全部それだ。しかも悪役といえどもアクションなし。自分で実行するより裏で企むタイプで、最後に主人公に不正を暴かれてしまう情けない人物がなんと似合うこと・・・。(笑)

ひと通りその手の彼を見た後で、旧作、カナダでの作品を観た。「エキゾチカ」「スウィート・ヒア・アフター」などアトム・エゴヤン監督作品の常連だったようだ。彼の顔が最初に知られるようになったのはここからだろう。地味な雰囲気はそのままだが、運命に翻弄される人間の姿をリアルに演じているように思った。やっぱり昔から、どちらかといえば情けない側の人間役が嵌るタイプなんだろうな。
そう考えると、やはりJFK役は大抜擢だよねえ。

でも、地味だけどルックスは決して悪くはない。「エキゾチカ」や「蘭の女」で女に翻弄される彼は、そこそこの優しい顔だから雰囲気が出たと思う。「ザ・コア」のパイロット、「南極物語」の大学教授、「デジャヴ」のFBIのお偉方、なんかは情けなさも幾分マシになったのでは?
優しい顔というのは使われ方も様々だが「カポーティ」で、カポーティのパートナーなんてのもある。ま、いつかくるかもとは思っていたよ♪

しかしこの人は役の大きさにはとんとこだわらないらしい。「13デイズ」のJFKに匹敵する役はその後まったく見ていない。「史上最速のインディアン」のボンヌヴィルの整備士には驚いた。たった数シーンで、台詞も極わずかで目を疑った。仕事が好きなのね、きっと。

さて、役は相変わらず大きくはないが「華麗なる恋の舞台で」の彼がとてもいい。ヒロインのアネット・ベニングの大切な友人なのだが、このチャールズ・タマリー卿がとってもいい男!ベニング演じる女優のジュリアを影ながら信じ、励まし続けて彼女の心の支えの一人となる。
優しい顔立ちと折り目正しい雰囲気が、上流階級の穏やかな人物像にぴったりなのだ。こういう路線ももっとあってもいい気がする。

映画好きの人なら、たとえ憶えていなくても、1年に1回も見ないで済むことはないであろうブルース・グリーンウッド。この姿勢はこれからも続くであろうと思われる。せっかくだからこの機会によろしくね~。

コメント

_ ゆりえ ― 2007年03月23日 09時30分05秒

おはようございます。
緑森さん、「ファーザーズ・デイ」の彼は覚えてますか。
移動トイレの中でぐるんぐるんされ、○そまみれになります。これくらい同情を誘う役はないでしょう・・。哀れじゃ。

_ めかぶ ― 2007年03月23日 19時05分20秒

備忘録を見たら、今まで観た出演作が22本。
忘れちゃったのもあるんだけど、「ファーザーズ・デイ」もなんです。
トイレをごろんごろん・・・のシーンは思い出しました。(笑)
でも、彼は何の役だったんでしたっけ?

_ ゆりえ ― 2007年03月24日 07時36分06秒

多分・・ナスターシャ・キンスキーの旦那さんだったのでは・・でも自信なし。義理の息子を探しててああなったような・・。

_ めかぶ ― 2007年03月24日 08時50分48秒

ああ、そうかそうか。3人目のお父さんですな。
もう1回見たくなってきた。あやしいメル・ギブソンも出てるし。

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