ケヴィン・クライン2007年08月20日 19時54分35秒

デーブ(1993)
KEVIN KLINE   1947/10/24  USA

今頃何故なオヤジ俳優シリーズ。(笑)
彼も映画を観始めた頃から本当にすっかり馴染みのベテラン。しかもオスカー受賞俳優である。

本当に馴染みの俳優だから何が最初だったか定かじゃないが、多分「遠い夜明け」かな。いや違った「フレンチ・キス」だな。メグ・ライアンの相手にしてはじじむさいなと思ったんだった。しかも国籍不明な怪しさ(笑)。映画としては単純に面白かったと記憶するもののこのちょび髭の男は何者か?と思ううちに「遠い夜明け」と「ワンダとダイヤと優しい奴ら」を観たのでケヴィン・クラインという俳優がますますわからなくなったー。
でも今思えば、そこそこロマンスもコメディもシリアスな社会派までこなせる芸達者な俳優のそれぞれの一面を立て続けに見たようなものだ。

クラインの出演作は作風も時代もかなりランダムに観たので本当にバラエティに富んだキャラクターで楽しいと思ったのは確か。
「ソフィーの選択」「アイス・ストーム」「卒業の朝」のような堅いドラマがあるかと思えば、「イン&アウト」「ソープディッシュ」「デーブ」「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」といったコメディがある。
最初は「ソフィーの選択」や「遠い夜明け」でリーアム・ニーソン同様に説教臭い俳優だと思ったし、巧い人だからドラマがじんとくるのは当然。だが、この人のいいところはその巧さがコメディで活きていること。コメディがなかなか評価されない アカデミー賞で彼がオスカーを受賞したのが「ワンダとダイヤと優しい奴ら」というのが象徴的かと。
大学で演劇を学んだ後にブロードウェイでデビュー。基本がしっかりしていてコメディが得意とくればその先は実力派の道を一直線みたいな優等生俳優だね。

好きな作品はいろいろあるけど「海辺の家」の彼がとてもいい。元妻役のクリスティン・スコット・トーマスとの間の切なさも、息子役のヘイデン・クリステンセンとの演技には胸を掴まれた。
「五線譜のラブレター」のコール・ポーター役も素晴らしい。人間ドラマもだが歌ってみせるのもロマンスもスマートで且つ情熱的でセクシーなのだ。しかも男女問わずにね♪

これをアップするきっかけになったのはずっと未見だった「わが街」。ローレンス・カスダン監督のドラマで、幸福と不幸は背中合せ、ひどい世の中でも人はこれを繰り返しながらもとにかく生きていく。カスダン監督のラストに光が見えるような人生を描くドラマにクラインはぴったりはまる。監督とは相性がいいのだろう。「再会の時」も非常に秀作のドラマだが、ここから始まって「シルバラード」「殺したいほど・・・」「フレンチ・キス」もジャンルはバラバラだがどれもカスダン監督作である。

すっかり父親役が板についたドラマが定着する年代になっても、セクシーさが見える役も笑わせてくれるコメディも健在なのが嬉しい。評判は様々だけど「ピンクパンサー」のベタさ加減なんて私は好きなんだけどなあ。
でもいくらコメディでも「ワイルド・ワイルド・ウェスト」みたいな悪趣味映画はもう絶対やめてね~♪

彼の奥さんは日本でも人気を博したフィービー・ケイツ。おしどり夫婦なのは勿論、二人の子供たちともども「アニバーサリーの夜に」では共演。息子のオーウェン・クラインは「イカとクジラ」でローラ・リニーの息子役を演じたがこれが素晴らしい!将来期待できる逸材と見た!

公私共に順風満帆のクライン。この人の俳優人生はどこにも穴がなさそうだー。
インタビューでは知的に軽妙なトークを見せる。いずれ重鎮といわれるようになっても、俳優としても素顔も楽しい人でいてね~♪

コメント

_ 哀生龍 ― 2007年08月20日 23時26分59秒

丁度「イカとクジラ」を見たところでした。
子供たちも俳優の道を歩み始めたんですね・・・
それにしても、本当に広いジャンル・キャラ・国籍を自然にこなし、歌も踊りもピアノもさり気無くこなし、芸達者とは彼のような俳優さんを指すんだろうなぁと尊敬しています。
きっときちんとした日々の努力と経験の積み重ねがあってのことだとは思いますが、“頑張っている”というのを見せないところがまた彼の魅力なのです♪

_ めかぶ ― 2007年08月21日 22時43分17秒

おお、りんさんにとってクラインは評価が高いんですね。
いや名優の域に入っている方ですもんね。
それでいてコメディ演技を楽しそうにやってくれているのが嬉しい。
いいオヤジなんだと思うなー、きっと。
「イカとクジラ」のオーウェン君、いいよね♪

_ 百合絵 ― 2007年08月27日 11時14分26秒

おはようございますー。

クライン、「卒業の朝」の先生、「オレンジ・カウンティ」の教授、とインテリ演技も堂に入っていて、安心俳優ですなー。「ワンダ・・」のブーツ・スーハーには大笑いさせられたし、「殺したいほど~」の絶倫夫もぴったり、トレイシー・ウルマンとのプレミア誌での宣伝撮影でべろとべろを接触させたチューには笑いました。なんにも怖くないもん、みたいな。
「隣人」のよろめき夫もありえてうまいです。

_ めかぶ ― 2007年08月27日 12時43分03秒

百合絵さん、毎度っ♪
そうそう、説教臭い俳優だと思ったのには先生、教授役がぴたっとはまっていたからでもあります。すごくインテリっぽいし、上品な感じ。
それでいて絶倫&不死身男ですもん。笑わせてくれるからいいんですよねえ。何やらせてもうまい。いちおし安心俳優ですね。

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