ノア・エメリッヒ2007年08月24日 03時04分54秒

オーロラの彼方へ(2000)
NOAH EMMERICH   1965/2/27  USA

中途半端な顔の俳優シリーズに続く。(笑)
ちょっと若くなって90年代になってから目にするようになった俳優。って、ほぼ同世代じゃん。見た目に十分にオヤジだねえ。でもこの人は最初からあまり顔は変わってないかと。元から地味なオヤジ顔だったってことか。

この地味な顔のエメリッヒを思い出してもらうには何がいいか?迷わず「トゥルーマン・ショー」を挙げたいと思うがどうだろうか。嘘の世界でトゥルーマンの一番の親友として側にいた彼だ。妻役だったローラ・リニーとは違い、親友として彼にはトゥルーマンに対して役としてではない何かがなかったのかな~、と思っていた私だった。作品として「トゥルーマン・ショー」は好きなので特にエメリッヒのことも覚えやすかったのかもしれないけど、彼の役の特徴としてこの‘主人公の親友’というのが非常に多いのだ。

先に観ていて、これを機に思い出したのが「ビューティフル・ガールズ」だった。ティモシー・ハットンが帰郷して集まった友人たちの一人に彼がいた。問題を抱えた奴が多い中、家庭を持ち幸せに暮らしている人の良さそうな男だった。
その路線で決定的に顔を覚えたのは「オーロラの彼方へ」。この作品も大好きなのだがジム・カヴィーゼルの親友の彼はカヴィーゼルのお陰で株で大儲けする♪
このタイムパラドックスのおまけのような小技シークエンスが楽しく、親友の彼の存在は作品を温かくしてくれる。

「すべては愛のために」(別題「すべてはアンジーのために」・・・大嘘です!)ではクライヴ・オーウェンの救済活動仲間だがいかにも哀れな最期を遂げるので元からだけどこの映画は大嫌い。(笑)
スポーツ映画「ミラクル」はカート・ラッセルが監督するナショナルチームのコーチ役。独創的な指導をするラッセルとチームの間で戸惑いながらもラッセルのやり方を支持するようになる。チームとしてまとまっていくまでの自分の立場に揺れる表情がいい。

地味な俳優によくあるアンサンブルキャスト映画だと、「ビューティフル・ガールズ」の他には「ウィンドトーカーズ」。ニコラス・ケイジ率いる小隊の一兵士。ピーター・ストーメアやコール・ハウザーなんかもいるからちょっと印象が薄いけど。(笑)
「コップランド」にも出ていたらしいがこちらはまったく記憶にない。当り前だけど警官の一人だろうねー。

デビューは93年の「ラスト・アクション・ヒーロー」らしいが未確認。(あの中から探すのもなんだし・・・)
それから10年以上経ってここ最近、役柄にも変化が。
「セルラー」では彼の意外な一面を見た。年齢とともにちょっと恰幅がよくなってきただろうか。一般警官から堂々とした刑事に成長していた。その他大勢の一人でもないしね♪
そして性格俳優が演じそうな役柄を演じてみせた「リトル・チルドレン」。作品自体が独特の雰囲気を持つ人間ドラマだったのだが、近所に住む小児性愛癖のある元犯罪者を神経質に警告してまわる男。エメリッヒの人懐こそうな笑顔がこんなに見られない作品も初めてかな。登場人物のそれぞれが人生の転機を迎えるストーリーで、エメリッヒの役にもそれは訪れる。揺れ、戸惑う彼の微妙な表情にこれからの役の広がりを感じた。

エメリッヒはイェール大学とニューヨーク大学で学んだ才人。自ら脚本を書き短編の監督経験もあるそうだが、実の兄が「オーロラの彼方へ」の脚本を書いている。
地味だけど人の良さそうな顔が印象に残っていたエメリッヒ。主演でブレイクするようなタイプではないけれど、今後はもっと印象的かつ重要な役で上質の映画に出演している姿が見られるようになるかもしれない。