エルデン・ヘンソン2007年12月23日 16時25分46秒

バタフライ・エフェクト(2003)
(中央)ELDEN HENSON   1977/8/30  USA

私が取り上げる俳優は自分の中でもグッドルッキング傾向にあるなあと思っているのだが、今回は何を思ったか、いつもと違うタイプの登場である。演技派ってんでもないしねぇ。じゃあ、何故に?

子役時代からよく見る顔だったんだよね。最初は「飛べないアヒル」。あのマイティ・ダックスシリーズだ。可愛げな主人公の周囲によくいる太目の男の子。
そして子役時代の集大成が「マイ・フレンド・メモリー」だろう。キーラン・カルキンと一心同体で一風変わった友情を描いた作品だった。朴訥とした彼の雰囲気が、体は大きいが気は優しい少年のキャラクターによく合って、キーランとの相性もばっちりだった。子役俳優にとって後に残るいい作品だと思う。これは彼にとっても好機だったろう。製作側に大きな印象を残したはずだ。

そんな彼がいつしかティーンネイジャーの仲間入り。最初はまさか彼が生き残っていくとは思わなかった。「アイドル・ハンズ」や「シーズ・オール・ザット」、「O」などで、主人公の同級生の中に彼を見た時は懐かしい感じがした。特に印象に残るものはないんだけど、こういうキャラクターっているとほっとする(笑)。必要な傍役だと思う。グッドルッキングな主人公の隣には笑えるキャラやルックスいまいちキャラが必要でしょ♪
その中で一番印象に残るのは「バタフライ・エフェクト」だろう。
大学生の彼の役柄は作品の質がタイムトラベルミステリーということもあり、次元の違いでキャラが微妙に変化するところが面白い。彼はまた一本、記憶に残る作品に出会えたようだ。常に顔を覚えられる作品ばかりに出ていなくても、彼のように節目節目に一本これだと言う作品に出ていれば俳優としては意外に成功しているのかもしれないな。

エルデンはさらにその年齢も超えて順調にキャリアを重ねている。「トスカーナの休日」や「デジャヴ」など、同級生役から主人公の同僚、組織のスタッフなど役も実年齢とともに成長。またまたもやどこにでもいる誰も覚えていないようなキャラだけど子役時代からの顔を覚えているから、見かけるとなんだか嬉しい(笑)。
そんな彼の俳優人生を象徴するような作品を観た。「ビューティフルメモリー」がそれ。彼のキャリアにしてみればなんとも紛らわしい邦題だけど原題は“Marilyn Hotchkiss Ballroom Dancing & Charm School”というヒューマンドラマ。ロバート・カーライル主演で他にジョン・グッドマン、マリサ・トメイ、メアリー・スティンバージェン、他にもぞろぞろ知った顔ばかりの豪華キャストなのだが、彼の役はやっぱりロバカの同僚(笑)。
ところがだ、この作品には違う時代の話があって、ロバカが出会ったグッドマンに聞かされる彼の少年時代の話がその部分。この中で少年時代のグッドマンがどうにも子役の時のエルデンに見えるんだよね。え?と思ったんだけど、これが間違いなく彼だったからびっくり。この少年時代の部分は15年前に撮られた短編映画だったのだ。その時に出演したのが子役時代の彼だった。同じ監督によって今になって脚本に手が加えられ、新たに撮影されたものと一緒に編集されて別の作品として蘇ったというわけだ。新たなキャストに再びエルデンを起用したランドール・ミラー監督のセンスに拍手。エルデンも面白かっただろうね♪

こんなふうに起用される辺り、意外と面白い逸材なのかも。製作側には信用があるのかもしれないぞ。さてこれからどんな一本が飛び出してくるかとわりと楽しみにしている。今後の役次第では、もしかしたら傍役個性派俳優へ進んでいくのかも?
忘れちゃってもいいけど、今でも「飛べないアヒル」なんてやってたりするから目にすることはあると思うよ~(笑)。