ペネロピ2008年03月08日 18時04分08秒

ペネロピ(2006)
ペネロピ PENELOPE
2006 英 監督:マーク・パランスキー
クリスティナ・リッチ ジェームズ・マカヴォイ キャサリン・オハラ リチャード・E・グラント リース・ウィザースプーン サイモン・ウッズ ニック・フロスト

呪いによってブタの鼻と耳を持って生まれてきたペネロピ(リッチ)。この呪いを解くには、良家の子息がありのままのペネロピを受け入れてくれなくてはならない。彼女の母親は大お見合い作戦を敢行するがペネロピをひとめ見ては逃げ出すばかり。そして現れたのはギャンブルで私財を食い潰したマックス(マカヴォイ)だった。

コメディでありながらシリアス。おとぎ話のようでありながら現実的で道徳を問われる話でもある。ちょっと変で、可愛くて、深みがあって、どきどきもする、断然好みの映画でした。

ブタの鼻をつけていようが、いやいやリッチは可愛い。力のある瞳はブタの鼻がついてることがさほど気にならない時もある。マフラーで鼻を隠しているときはその瞳がとにかくモノを言う。ティーンネイジャーを過ぎてちょっとほっそりした彼女は、「スリーピー・ホロウ」の時の可愛らしさに近いかもしれません。
女の子なら何かしら必ず持ってる身体的コンプレックス。なかなか考えさせてくれますわよ。

世界と隔たった暮らしをしてきた屋敷の中のペネロピの世界はとってもキュート。ファッションや彼女の部屋、屋敷の中を彩る衣装、美術がとっても可愛い。出演もしているリース・ウィザースプーンの製作なんだけど、なんだか納得かも。さまざまな女の子を女の子らしく演じてきた彼女ならではの作品かも。こういうのを作りたかったのねって頷けてしまうような・・・。

主人公がリッチなのに相手役はマカヴォイ。リッチの両親はオハラとグラント。舞台はNYが混ざったようなロンドン(?)だし、米英混在の不思議さ。でもこの混ざり具合が絶妙で良いのだな。

ひとりどこかで見たことのある人が。ペネロピの姿が世にさらされる最初のきっかけになったお見合い相手の、ちょっとおばかな男。この天然ぶりは・・・わかったわかった!「プライドと偏見」のMr.ビングリーでしたわ。サイモン・ウッズは確かに英国の良家の子息に見える。何の苦労もせんと成長してきたでしょ、みたいな。でも「マッチ・ポイント」のマシュー・グードみたいな洗練された感じがまったくない(笑)。

そして、マカヴォイの魅力大爆発といってもいいんじゃないかと~♪
良家の子息がギャンブルに身を持ち崩した体たらく。見た目もよれよれ、頭はボサボサ。でもそこがキュートに見えるのは彼の持ち味か?お姫様みたいなリッチとの組合せは画的にも合う。近く公開の「つぐない」ではキーラ・ナイトレー相手にせつなさいっぱいのラブストーリーを見せるらしいが、私の好み的には「ペネロピ」の気がするんだけど、どうでしょうか。
「ペネロピ」でも彼女と出会うことで自分を見つめ直して再生していく心優しき青年。人間の弱さと善良さが滲み出る役を魅力いっぱいに演じている。

めちゃめちゃ褒めてますが、ここまで贔屓してしまう最大の理由は今まで「ウィンブルドン」のポール・ベタニーとキルステン・ダンストだった、私の中のベスト・キスシーンの塗り替えになったからに他ならないでしょう。おほほ。
どんななのかは是非ご覧くださいまし。
キュートなふりして熱いぜ、マカヴォイ♪