アンドリュー・マッカーシー2008年06月07日 13時24分48秒

キングダム・ホスピタル(2004)
ANDREW McCARTHY   1962/11/29 USA

映画を観始めた頃、最初に覚えた俳優の一人。彼もジョン・ヒューズ組だったしね。彼もジョン・キューザックに似たつるんとゆで卵系。世間を知らないお坊ちゃん。とびきりハンサムでもないけど、育ちが良く優しそうな感じが万人ウケしそう。オールアメリカンボーイな彼の出ている青春映画で、アメリカ人の高校生はこんななのか~と素直に思った私。
憧れはしなかったけど、アメリカ人って大人だな~って(笑)。

なので、「恋のスクランブル」「プリティ・イン・ピンク」「バーニーズ/あぶないウィークエンド」なんてとにかく楽しませてもらった。
好青年のマッカーシーは絶対に最後は幸せになるのだ。ハッピーエンドで映画の幕を閉じる、安心して楽しめるお約束な俳優だった。

高校生じゃなくなってもその傾向は続く。「マネキン」なんてファンタジーでも楽しくて幸せで、今でもマッカーシーの最高傑作だなぁ、と思うー。
「セント・エルモス・ファイヤー」は珍しく強気で、ジャド・ネルソンからアリー・シーディを奪い取ろうとする。ラストはちょっとほろ苦いけどでもやっぱり青春映画に最適のキャラクターなんだよね。

はたしてそれはいつまで通用するのか・・・?

難しいところだと思う。「イヤー・オブ・ザ・ガン」「ジョイ・ラック・クラブ」「第一容疑者」「狼たちの街」「ポイズン」「ダブル・リアクション」など、ちょっとずつ傾向を変えて、サスペンスや重めのドラマにも進出するようになるが、やっぱりどこか緊張感が足りなくて作品の中に馴染まないなぁ、というのが本音。
「ミセス・パーカー/ジャズエイジの華」にもアンサンブルキャスト的に顔を出したもののどんな役だったっけな?なんてくらいに影が薄い~。

そして次第にTV出演が増えていくわけだね。そんなわけで日本で顔を観られることはとんとなくなってしまうわけだけど。寂しい気もするけれど、でもね、TVに行ってしまっても、俳優を辞めずに続けているってことは嬉しく思うのだ。
90年代から2000年以降に彗星のように現れて、さささーっといなくなってしまう一時人気俳優が多いのに、80年代に活躍した人たちは、どっこいそうそうくたばっていないタイプが多い。キーファー・サザーランド、チャーリー・シーン、エミリオ・エステベス、クリスチャン・スレイターとかね。マッカーシーもそのひとり。

近年、久しぶりに見たのはスティーヴン・キング原作のTVミニシリーズ「キングダム・ホスピタル」。昨今の欧米TV人気のお陰で日本上陸。見ることができたのはありがたい。作品そのものはなんとも形容しがたいが、しかしー、変わらぬマッカーシーの姿は驚くくらい印象が変わらず、嬉しいやらびっくりするやら。
高校生の頃のお坊ちゃんっぽさ、品の良さそのままに、やや老けたって感じ。実年齢より絶対に若く見えると思う童顔。だからサスペンス向きじゃないんだけどね(笑)。
だけどそれも数をこなせばこなれてきたというか、それなりに主役としての存在感もあり、悪くなかったと思う。
活動はずっと続けているみたいなので、観られないだけで出演TVMや未公開作品がたくさんあるみたいだ。いつかどこかで観られるといいんだけどな。

映画では「あなたに言えなかったこと」という小品があるが、これがえらく地味なんだけどいいんだよね。ほんのりラブストーリーなんだけど若くもない輝かしくもない彼の姿を、もし興味があればご覧になっていただきたい。こんな作品もやれるんだし、息の長い俳優でいて欲しいと思って数年が経ち、今年、思わぬところで彼を見つけてびっくり。
「スパイダーウィックの謎」にワンシーンだけ、だけども結構重要な場面に登場した。役はフレディ・ハイモアのパパ(笑)。登場の仕方といい、役柄といいちょっと微妙なんだけど、相変わらず実年齢には見えない童顔であった。思えば、マッカーシーをスクリーンで見たのはこれがはじめてだったかも!ちょっと感慨深かったぞ~。
いつどこででも構わないので、また驚かせてくれたまえよ、いつまでも待ってるからねっ♪