イーサン・エンブリー2008年10月23日 00時08分10秒

タイムライン(2003)
ETHAN EMBRY  1978/6/13 USA

人懐っこそうな笑顔。友達にいて欲しいタイプ。主役の柄じゃないけど、脇に彼がいると明るくなるような、柔らかい雰囲気があるのが好きだ。

青春映画で主人公の友人で見かける印象が深いだろうか。若手俳優がたくさん出演する作品で顔を観られるので、学生のイメージが強いのだけど、13歳で子役デビューして20年近くなるベテラン。「白い嵐」の中の少年たちの中にもいたのね。

はっきりと憶えている最初は「すべてをあなたに」。トム・ハンクス監督のやっぱり青春映画。主人公のトム・エヴァレット・スコットのバンドのベースマン。バンドの中でもスティーヴ・ザーンとふたりでコメディパート担当っぽい。ふたりがいつも落ち着きがなくちょこまかしてて可愛い。
そのすぐ後に観たのも青春映画の「エンパイア・レコード」。レコードショップを舞台にリヴ・タイラーやレニー・ゼルウェガーたちの中にいたエンブリーはパンク小僧。これもなかなか可愛い。

さらに「待ちきれなくて…」はジェニファー・ラヴ・ヒューイットが主演の青春ラブストーリー。しかしこれのエンブリーは主演といってもいい。思い続けてきた彼女にプロムの夜に告白しよう!という、青春映画の王道とも言うべきストーリー。しかし、ちょっと切ないラストまでなかなかエンブリーの持ち味が沁みるいいキャラクター。
数ある青春映画の中でもこれは楽しい。ヒューイットが好きじゃないのだけど、エンブリーを観るだけでも存分に楽しめる。
愛嬌たっぷりの善人顔のエンブリーは青春ドラマやコメディにぴったりなんだと思われその手のキャスティングが多いのは納得。

その特徴を逆に活かして「洗脳/狙われたハイスクール」や「インプラント」「モーテル」など、ホラーやサスペンスの出演があるのもまた一興。緊張を和ませる役割はばっちり、また一転して・・・とかも。

久しぶりに姿を見たのは「メラニーは行く!」で、リース・ウィザースプーンの故郷アラバマの幼なじみ。もうチャーミングなキャラクターが微笑ましい。ネタバレしてしまうと彼の役はゲイなんだけど、小さな南部の田舎町でゲイであることの微妙な空気が、エンブリーの演技がちょっとせつなくて絶妙。憎めないキャラ全開でものすごく印象深かった。

他に近作では「タイムライン」の科学者とか。仲間を過去に送り出し、映画の舞台は中世がほとんどである中で、現代に残ってほぼ孤軍奮闘する立場のキャラクター。地味だけどなくてはならない役どころ。一見、頼りにならなそうだけど頑張ってる姿は思わず応援したくなる。そこが大事。エンブリーの持ち味の活かしどころかな。

最新作「イーグル・アイ」でビリー・ボブ・ソーントンの下で働くFBI捜査官として見たのだが、さすがに年齢が青春ものには向かなくなってきましたか、一見してエンブリーと気づかず、地味な感じで新しい一面を見たような。主人公の同僚とか友人とかそういう役が多くなるのだろうが、愛嬌のある顔はそのままなので、これからもうまく個性を活かせる役で見せてもらいたいなと思う。

キャラクターも見た目もちょっとビリー・ボイド(LOTRのピピン)と似てるかも。こういうタイプがいると作品の雰囲気がふんわりと和むと思うの。彼らみたいな人って、主人公の隣や後ろで、ちょこまかとしていてもらいたいと思いません?(笑)