ゴールデンスランバー2010年02月23日 20時59分35秒

ゴールデンスランバー(2010)
ゴールデンスランバー
2010 日本 監督:中村義洋
堺雅人 竹内結子 吉岡秀隆 劇団ひとり 香川照之 永島敏行 濱田岳 貫地谷しほり 大森南朋 渋川清彦 柄本明 伊東四朗 木内みどり ベンガル 相武紗季 山口良一 石丸謙二郎 竜雷太


初の邦画レビューになるでしょうか。私は基本、邦画は観ませんし、本は日本人作家のものは読みません。映画はもともと原作より先に観たいのでこの際関係ないのですが、ただ、伊坂幸太郎を1冊も読んでないのでその世界観はまったく知りませんでした。では何故?

堺雅人です。

前日たまたま彼の作品をCSで観たところ、むむむ・・・と。ちょこっとだけ気になっていた「ゴールデンスランバー」が公開中の上、ポイントがたまっていたのでこれ幸い。
ある知人の映画評で、堺雅人について“喜怒哀楽をすべて「笑顔」で表現する堺雅人の笑顔・・・”とおっしゃっていて、今回観て、ああ、なるほど・・・と。私、こういうタイプの演技者って好きだなぁと、じんわり思ったのでした。彼のこの演技を最初から最後まで通して観ただけで「ゴールデンスランバー」は大満足です。やっぱり俳優主義だなぁ(笑)。

伊坂幸太郎は結構映画化になってるのですね。名前は知っていましたが邦画を観ないせいでまったくさらの状態で観ることになりました。彼の世界観にファンタジー性があるとのことですが。そこだけ考えれば私は好きかも知れません。一応事件性のあるストーリーですから本来はリアリティがないと嫌なのですが、今回はなぜか突っ込みどころがあるにもかかわらず、いいかな~と思わせるものがありました。人間部分の繋がりとか心情のしっかりした描かれ方にかなり満足した感があります。最後にそれぞれの行く末や陰謀の真相があやふやでもさほど気にならないです。
先の知人の評で“彼に近しい人は誰一人青柳が犯人だとは思っていない。”というのがあって、私もこれに尽きると思いました。父親や元同僚の言動とそれを聞いた青柳本人(演じる堺雅人の泣き笑いの表情)。これだけでぐっとこの作品に満たされました。
少し前に「アヒルと鴨のコインロッカー」もCSで流れていたのですが、これは途中で観るのをやめてしまいました。リアリティのない変なサスペンス?と入り込めなかったのですが、その時は伊坂幸太郎とは知りませんでした。今となればなるほどですけど。今回とのこの違い。全部が全部伊坂作品を面白いと思えるかどうかやはりかなり微妙かな?「重力ピエロ」も好みではなさそうな気がします。でもせっかくなので「ゴールデンスランバー」は文庫になったらいずれ読んでみようかなぁ。

ま、私の場合、基本は堺雅人だったからでしょうねぇ(笑)。