理想の彼氏2009年11月30日 00時28分40秒


理想の彼氏(2009)


理想の彼氏 THE REBOUND
2009 米 監督:バート・フレインドリッチ
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ ジャスティン・バーサ リン・ウィットフィールド サム・ロバーズ ケリー・グールド アンドリュー・チェリー

 「40歳バツイチが恋に落ちたのは、24歳フリーターだった。」ってコピー。おお、いいんでないの~?大歓迎だわ♪わーい(嬉しい顔)

このコピーでキャサリン・ゼタ・ジョーンズとジャスティン・バーサというキャスティング。ポスター・チラシのデザインが良くて、なんか引かれたのよ。このわけわからん邦題にして、まぁ ハッピーエンドのラブコメディっぽいのかなぁ程度の気持ちで見たところ、結果は意外にもちょっとほろ苦く、ややも現実味を感じさせるものだった。なかなか いい余韻を残してくれる。

つまるところ・・・。今回の歳の差は15歳だが、“愛があれば歳の差なんて”とは一概には言えないのだ。口で言うほど簡単じゃない。男と 女のどっちが歳が上なのか、何歳と何歳なのかによって場合は様々。その歳の差ゆえにある出来事、ちょっとした瞬間に、感情的に脆くなることがあるのは否め ない。それはかなり現実。40歳と25歳。ゼタジョンとバーサの場合を見ておこがましくも自分を考えると、歓迎ではあるが確かに無理な気はする。あと5年 以上経ったらもしかしたらありかな?・・・とウッシッシ

同じ日の夜にレイトでもう1本、「ニュームーン トワイライト・サーガ」を観てるのだけど、これがまた恐ろしいほどの、らぶらぶふぁんたじー。異種間恋愛にして一人の女の子をめぐって二人の男の子が睨みあう~みたいな、超少女マンガ的な作品。
意識したわけではなかったのだけど、少女マンガとプチリアルな2本の恋愛映画を同日に観たのはなかなか興味深いものがあった。少女マンガな「ニュームーン」を観た後、こんな事を考えながらも、がんがんにRockを聴きながら帰ってきた私であった。

俳優的な見方から思ったことは「理想の彼氏」では、ゼタジョンはゴージャスで存在感が大きいので、彼女に負けない相手役を選ぶタイプだと思っていたので、このストーリーがあったかと目からウロコ。ポスターの期待通り、バーサがまたはまってて可愛いんだハート最後まで観て、これは彼にとっても面白い役だったはずだと思った。
ついでに「ニュームーン」では、ロバート・パティンソン。その王子様的なルックスでせつないヴァンパイア役が米国の女の子に大人気になったけど、私には今でも「ハリー・ポッター」のセドリック・ディゴリーなんだけどなぁ。


狼の死刑宣告2009年10月22日 22時01分49秒

狼の死刑宣告(2007)
狼の死刑宣告 DEATH SENTENCE
2007 米 監督:ジェームズ・ワン
ケヴィン・ベーコン、ケリー・プレストン、ギャレット・ヘドランド、アイシャ・タイラー、ジョン・グッドマン

絵に描いたような幸せな家庭を妻と二人の息子を持つコンサル会社(?)の副社長の男。
彼の人生が逆転したのは・・・街のギャングに将来有望な長男を殺されたのが事の発端。
この事件、二人が入ったガソリンスタンドの売店に強盗に入り店員と息子を惨殺。ところが金も取らずに逃走した。そのときは逃げられたものの、父親は犯人と格闘して顔を覚えていたことから逮捕されるが、目撃者が彼だけなことと、実は犯行の動機が強盗目的ではなく、新人がギャングに入るための儀式として人を殺したのだということ。自分の意思でないということなのだろうか、実刑になっても取引でせいぜい5年の服役にするのが精一杯。重刑を求めて争うとなると弁護士は目撃のあいまいさを突いてきて無罪を主張。下手をすれば逃げられる・・・。
この理不尽さに父親は証言を覆し、釈放された犯人に復讐を果たす。
しかし相手はギャングで、しかも彼が殺したのはそのギャングのリーダーの実弟だった。
怒りを滾らせるリーダーはまたしても報復に出たことからギャングと普通の家庭の男の戦争が始まる。

チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」(邦題に“狼”を入れたのはこれを意識してるよね)、新しいところではジョディ・フォスターの「ブレイブ ワン」のような、「法が裁かないなら、俺が殺る」ってやつですな。
このタイプ、なるほどケヴィン・ベーコンにうってつけな役かもしれない。
幸せなFamily Man が、怒りに復讐へと駆り立てられる様は鬼気迫るものがある。が、所詮素人なわけで、殺しが様になっているわけではない。「復讐なんて・・・」と一瞬思いとどまったり、最初の殺しの時の動揺ぶりなどはそりゃそうだろうと納得。そこから始まった報復、全面戦争に至っても、辛くも生き延びているというのが正しい。
その弱さとそれでも戦わなければならない・・・と切り替わる彼の心情。ここんとこの表情といい演技といい、ケヴィンの持ち味、上手さ炸裂というところだろう。

とベタ褒め(ベタ惚れ)してはおりますが、事件前のお父さんしてる彼を見るなり「老けたな~」が第一印象。“狼”と化した後も彼には、ブロンソンやジョディの時のようなかっこよさはない。ただならぬ悲壮感と怒気だけに突き動かされる素人の報復者なのである。傷だらけの頭を自分でバリカンで刈り上げスキンヘッドにし、これまた傷だらけのカラダに自分で不器用にバンデージした上に死んだ長男の革ジャン。一見してまったくかっこいいとはいえない・・・が、見た目に囚われないシブさというか美しさというかなんというか・・・この姿。一見の価値ありだ。

そういえば・・・2006年の12月にベーコン・ブラザーズの来日公演でケヴィン(生ベーコン・・・)を見た。あの時の彼、そういえば五分刈りくらいで珍しいと思ったのだけど、そうか~これの撮影が終わって間がなかったのか~。納得♪


こんなケヴィンと一緒にいて、すっかり彼の“味”を堪能しまくった短くも深~い2時間弱の後は・・・初めての店に足を運んだ。大好きな人の姿を堪能して、美味しいお酒を楽しんで、幸せな時間に癒された。いい一日でしたわ♪

「フォネット詩集 G線上のマリア」 平本照麿2009年09月24日 01時11分50秒

「フォネット詩集 G線上のマリア」 平本照麿
「フォネット詩集 G線上のマリア」 平本照麿
(朝日出版社)

「フォネット=四行プラスタイトルの五行で纏める言葉の塊を、ぼくは勝手にこう呼ぶことにした。俳句や短歌のように字数や季語にとらわれることもない、自由詩のように冗漫になることもない。ただ、四行という怠慢な縛りがあるだけだ。」
エピローグより

友人に貸していた本が戻ってきた。こんな本を買っていたことすら忘れていた。
単行本は高いし、図書館を利用するのが関の山。しかも詩集だなんて・・・物語好きの私には、まず選択肢にないものなんだけど・・・。
新聞の書籍広告で見つけて衝動的に欲しくなった。2004年の初版第1刷だから発売されてすぐ買いにいったんだろうな。

何がそんなに私の目に留まったのだろうか。

忘れていた本のページをめくる。

「ああ、マリア

 ぼくの体の中を風が吹き抜ける
 なんと爽やかな朝の淫靡な残香
 冷徹な肌に激しく燃えつきた欲情よ
 マリア、きみはぼくを狂わせた!」

これか・・・?

本の中の1篇が紙面にそのまま載っていたのだが、果たしてこれだったか・・・。いずれにしてもこの“マリア”を詠った詩だったはずで、結構刺激的だったのは記憶にある。
どきっとした。
どきっ・・・と、するよねぇ。

激しい恋の詩だ。恋だけじゃなく、家族への愛と死、自然や季節、旅した街の風景、時間・・・。
あらゆる事象に向き合い吐き出される言葉はストレート過ぎる。

「詩は書くものではない、つかむものだとぼくは思っている。心が渇望しているとき、飛んできた真理を一瞬にしてつかむ。つかみ損なったら永久におしまいだ。その瞬間だけ、本当の詩が生まれるとぼくは信じている。(中略)
ただ残念ながら、満ち足りた日常から詩は生まれない。心が飢えている時だけ、詩は向こうからやってくる」

作者が詩についてエピローグで述べている。
なるほどである。
才能にもよるだろうが書こうと思って書けるもんじゃないとは思う。
もともと好きじゃないのよね。
抽象的な言葉の羅列から読み手が読み取らなきゃならないんだったら、最初から長文でわかりやすく書けよ。ずっとそう思っている。論文じゃないんだからじっくり読み込んで要旨を読み取れだなんてやってられない。まして詩なんて自分の中から溢れてくるエッセンスなのだからわざわざ抽象的に書く意味も判らない。だから詩って好きじゃなかったのだ。
でもこのフォネット=四行詩はかなり激情的に直球を投げるような言葉の繋がりばかりで比較的わかりやすい。長ったらしくもない。

私は、本は一度読んだらなかなか読み返すことってないのだけど、これはそうでもないかもしれない。忘れた頃にまた取り出してそのときに、どきっとするものを探してみようか。

で、今回は・・・

「小さな喜び

 小さなことに傷つく心は
 小さな喜びにもうちふるえる
 人の痛みに気づかぬ心は
 自分の傷にも気がつかない」

幾つかあったけど、こんなところにしておこう。
あまりにストレート、これが今だと言うにはさらけ出しすぎるから(笑)

エリック・クリスチャン・オルセン2009年09月23日 20時43分26秒

ラストキス(2006)
ERIC CHRISTIAN OLSEN(左から2番目)  1977/5/31 USA

コメディ、B級作品がお好きな方なら、この顔はわりと見てるんじゃないかと思うんですが。若手の傍役俳優のひとり。
私の記憶もそのほとんどがコメディ。しかも“おばか”。
なので、ビデオスルー作品がほとんど。日本のふつーの公開作品を中心に観ている方にはとんと馴染みがあるまい。CSやWOWOWなどで未公開作品を観る機会があれば覚えがあるかも・・・みたいな俳優です(笑)。

でもでも、最初に記憶しているのは「ローカルボーイズ」という青春映画だった。サーファーの青年で伝説のサーファーとの出会いで成長していくみたいなストーリー。ほぼ主演でそれなりにシビアな演技もしているけど当然劇場未公開。これからよく見る顔になるかな?と思いつつ、インパクトに欠けると思ったのも事実。
その次に見たのは劇場公開作品の「セルラー」。主演のクリス・エヴァンスの友人のひとり。これで「あ、あいつだ!」と確実に認識したんだと思う。でも、出演時間はたぶん10分そこそこ・・・。まあエヴァンスが孤軍奮闘するストーリーだからねぇ。

そしてそこからイメージを覆される“おばか”作品でお目にかかることになる。ロブ・シュナイダーの「ホット・チック」、「ビール・フェスタ」。未見なのだけどジム・キャリーの「Mr.ダマー」の新シリーズでキャリー張りのおばか振りを発揮しているらしい。その道に結構前向きなのか?

主人公の友人役で非常に印象深いのがザック・ブラフの「ラストキス」。マリッジブルーに陥る花婿の悪友仲間の一人。仲間の中にはケイシー・アフレックもいて、ブラフらしいヒューマン味のある佳作で、友人たちの描き方がいい。監督は温かい作品の多いトニー・ゴールドウィン。

「ライセンス・トゥ・ウェディング」もロマンティック・コメディ・・・主演陣にロビン・ウィリアムズが鎮座するかなりドタバタ系(笑)。ただ監督が「旅するジーンズ~」のケン・クワピス。ロビン・ウィリアムズのこてこてキャラは好きじゃないんだけど押えるとこは押えてる。ロマンスもコメディも青春映画も爽やかな作品に仕上げるクワピスらしい。ここでのオルセンは結婚を控えるヒロインの幼なじみ。彼女の婚約者にとっては面白くない存在。得てしてお決まりのキャラだが、彼の言葉がポイントになったりしてちょっと役得かも。

新作は「サンシャイン・クリーニング」。エミリー・ブラントのチンピラのボーイフレンド。出演時間は・・・。日本公開作品だとこんなもんだ(笑)

一見ハンサムなので、いずれ主演作品も?と最初は思ったのだけどさっぱり! このルックスでコメディだと、大概、主人公の男の悪友の一人か恋敵。いつまでも友人の範囲で目立たないか、最後にヒロインに振られるとか、痛い目に遭うとか、そんなんばっか。
それなりのルックスなんだからいずれは映画で主役も張れる!とブレイクを待っている・・・と本人が思っているかどうか定かではないが、もう30歳過ぎてるし難しそうだなー。
なんてヒドイことばっかり書いてるが、本国ではTVシリーズからキャリアをスタートさせて、現在も映画にTV(「ER」「24」「ヤング・スーパーマン」「トゥルー・コーリング」など人気作品多数)に出演作品が多いし、このルックスだもの米国では固定ファンが結構いる人気者だと思う。

コメディにどっぷり浸かって、時々見せる弾けっぷりはなかなかのもの。やってる本人は楽しいに違いない。コメディに二枚目ルックスキャラは一人は必要不可欠。この位置をキープしていくのも悪くないのかもしれない。
コメディ以外も役の大きさにはこだわらず映画には出演を続けていってくれるといいなと思う。

96時間2009年08月25日 17時06分39秒

96時間(2008)
96時間 TAKEN
2008 仏 監督:ピエール・モレル
リーアム・ニーソン ファムケ・ヤンセン マギー・グレイス ザンダー・バークレー リーランド・オーサー

元工作員のブライアン(ニーソン)は仕事で家庭を失ったが、引退した今では分かれた妻(ヤンセン)が富豪(バークレー)と再婚した家庭に暮らす娘(グレイス)を見守る。裕福で甘やかされ放題の娘が従妹とパリに遊びに行った先で人身売買組織に誘拐され、奪還のために彼は単独で組織に戦いを挑む。

お父さーーーんーーーっっっっ!!!!
一言で言えばそんな映画。

お父さんは娘が可愛い。
お父さんは娘を溺愛する。
お父さんは娘のためなら命がけ。

だから・・・お父さん、愛してるよ!

そんな映画ですが、今年観た中でベスト3に入ります。
多分、私の今年のベストで上位に収まると思います。

久しぶりに観ていて肩に力が入りっぱなし。R-12指定になってましたがなるほどお父さんってば敵側と見るなり殴る、撃つ、やりたい放題。バイオレンス度かなり高め。またお父さんが強くって、緊張するは、興奮するは。結構疲れたけど、いやいや面白かった。大満足。
倫理的な部分とか法的な部分で突っ込みどころもたくさんあるだろうが、そんなもんどーでもいい。リュック・ベッソン製作のバイオレンスアクション映画だもの。

そう、リュック・ベッソンのアクションなんだけど、なんでリーアム・ニーソンなんだろうと最初は思った。どう考えても彼はアクションって柄じゃないもの。そんなに若くないしカラダのキレとかいいイメージないしね。逆に心配だなと思ってたんだけど、いやいやなかなか頑張っていたのであった。
キレのあるアクションならもっと適任はいたはず。でもジェイソン・ステイサムじゃ若すぎるし、ダニエル・クレイグでもやっぱり若いし、ちと迫力に欠ける。ジャン・クロード・ヴァンダムじゃB級かコメディになっちゃう(失礼!)。
娘を溺愛しているところに彼ならではで妙に説得力があって、じゃあそこまでしてもしょうがないかって思わせたいんだなと(本当にしょうがないかはこの際置いとく)。そこがニーソン起用のポイントなんだろう。

エンタメが好き。
ドラマが好き。
サスペンスが好き。
欧州が好き。
俳優が好き。
Rockが好き。

ラブストーリーが好き。
ファンタジーが好き。

私の好みの傾向のうち、先の6つを満たしておりました。
興味をもたれた方はどうぞ。

でも・・・娘を持つお父さんは・・・もしかしたら、観ない方がいいのか・・・な?



ところで・・・お父さん、いったい何人殺したの?