ジェイミー・ベル2008年03月09日 18時54分37秒

DEAR WENDY(2005)
JAMIE BELL  1986/3/14  UK

ついこの間まで子役だと思っていたのに、すっかり大人になって・・・。才能はあるけど、成長してぐずぐずになってしまう子役が多い中で着実にキャリアを重ね、しかもカッコよく成長してくれた稀有な存在のジェイミー。なんて有難いことか!
このタイプ、思えばクリスチャン・ベール以来かなと。両方ともハリウッドで育った子役じゃなくて、英国人であること。でもキャリアの中で効果的にハリウッド映画の活躍があること。彼らの成長過程を大切に見守った両親やエージェントのお陰で、類稀なる才能をつぶさずにここまできたこと。絶対に感謝すべきだと思う。

初見は勿論彼のデビュー作、「リトル・ダンサー」。とりつかれたように踊る彼のダンスは本物。小さな頃から踊るのが好きでダンサーになるのが夢だった彼の当たり役にしてデビューとなったこの作品。評価も高く、英国を出て世界中でも注目されて、ジェイミーの名前もメジャー級。大変なデビューとなった。

その後は興味がダンスから演技に移ったか、期待通りに俳優の道に進んでくれたのは有難い限り。しかも手堅く英国作品。TVMの「ディケンズのニコラス・ニックルビー」とホラーの「デス・フロント」。
ティーンネイジャー時代にディケンズなどの英国文学作品を経験することは俳優を志す者にとって非常に良いことだと思う。個人的にはハリウッドのすちゃらか学園コメディも好きなんだけど、そのまま行ってしまって失敗するハリウッド製若手俳優の多いこと。その道を歩む危険性の少ない英国人子役はある意味幸せなのかもしれない。

「デス・フロント」は一次大戦時の英国軍少年兵役。でもってホラー(笑)。英国映画にしては異色作だったと思う。雨の降りしきる塹壕の中で兵士が一人また一人と殺されていく。その殺され方がまたエグくて結構すごいものがあった。
泥まみれ、血まみれ、雨で暗くて寒そうな塹壕の中、ぶるっとこっちまで震えそうな感じ。こんな変わった作品も英国ならでは。ジェイミーの作品選びの面白さはここから始まっていったのかもしれない。

次に目にしたのは暫らくたってからのこと。「DEAR WENDY」で久しぶりに見た彼の美しく成長していたのは非常に感動的だった。しかも少年らしさと大人への中間に差し掛かる微妙な揺れも絶妙に演じていて、私はすっかり物語に導かれていった。ティーンネイジャーならではの真っ直ぐさ、無謀さが瑞々しくてそれだけに尚更、痛々しい。
この作品、脚本がラース・フォン・トリアー。監督がトリアー組の有望な若手。トリアー色いっぱいのデンマークとドイツで撮影された、アメリカっぽくないアメリカが舞台の作品。少年たちが銃を手に西部劇さながらの壮絶な物語は、サンダンスで喝采を浴びる異色作となった。やっぱりジェイミーは作品選びが面白いというか、恵まれているというか!
ここで私は、今後、彼は生き残っていく逸材に違いないと確信した。

さて彼の快進撃はここから始まる。英国や欧州作品で足固めをした後、ジェイミーは本格的にハリウッドへ進出する。それも超度級の大作で。
ピーター・ジャクソンが「LOTR」の次に選んだ「キング・コング」と、クリント・イーストウッドが監督した硫黄島二部作の「父親たちの星条旗」である。
どちらも出演者の中では一番若い少年的な役だが、彼の持つ純粋な少年性の魅力に両監督とも惹かれたのだろうか?
そんなハリウッド大作に臆病にならずに続けて出演する度胸の良さが頼もしい。

2008年、最新作はヘイデン・クリステンセン主演の「ジャンパー」。予告で彼を目にするまで全然知らなくてびっくり!俄然、期待が高まった。スタイリッシュなSFアクションは初めてだ。年齢も気がつけば二十歳を超えて見た目も逞しく、ますますカッコいい青年になってきた。
ダンスで基本が作られてきたせいか、細身な体格はそのまま。特殊効果映像のせいもあるけど、キレが良くってスタイリッシュなアクションはカッコよかったざます。
この作品、東京でロケをしていて、銀座や渋谷でヘイデンとジェイミーの2ショットシーンがある。きゃー、撮影現場を見てみたかったわ~♪

欧州にハリウッドに、小品から大作までジャンルも偏らずに様々な作品で顔を見せてくれるジェイミー。まだ20代に差し掛かったばかり。これからがなんて楽しみなこと♪
まずは「ジャンパー」が成功すれば、3部作になるというので期待したいところ。
いずれ重めのドラマやラブストーリーでせつなさ爆発なところも見せてくれることだろう。彼には先行きまったく心配してないですっ!

スコット・スピードマン2007年12月16日 19時25分26秒

アンダーワールド:エボリューション(2006)
SCOTT SPEEDMAN   1975/9/1  UK

甘めのルックスではあるが、最初はそれほど興味が持てなかった。TV俳優から始まったキャリア。私が最初に彼を見たのも「フェリシティの青春」というシリーズ。ケリ・ラッセルが主演のこのシリーズで彼の役どころは、ラッセルが恋焦がれてストーカーまがいの執念で追いかける彼女の先輩。このラッセルがイライラする女で観ることなく観てしまってはムカついて頭にきていた。
このドラマ自体がこんな印象だったから彼の印象も良くないのかもね。余りにくだらなくてさすがに途中で観るのを止めました。(だったら最初から観るなよ・・・)

見た目に爽やかな好青年のスピードマン。ルックスは覚えていたけど魅力的には感じなかったのが、なんかいいんでないかい?と思うきっかけになったのは「アンダーワールド」。ケイト・ベッキンセール演じるヴァンパイアと結ばれるライカン(狼男?)のスピードマン。これがスタイリッシュなベッキンセールとの相性も良く非常に印象深い。彼女に守ってもらうやや情けない男ではあるが、その甘めのルックスがここでは効果的。異形の者である戸惑いや自分の運命を哀しみ苦しむのに、彼の滲み出る軟弱さがぴったり。でも暗めの画面にちらりとのぞかせる彼の表情は何気に色気も感じられ、ただのグッドルッキングに終らない魅力が感じられた。続編の「エボリューション」では少しずつ逞しさも見えてきて、ますます磨きがかかっていると思う。この作品に出会えてよかったねぇ。
主人公のカップリングが気に入らないと嵌れない私だが「フェリシティ」と「アンダーワールド」の違いはまさにその典型かと。ベッキンセールが気に入るコトだってそうそうないのにねえ(笑)。

「アンダーワールド」以前に観ていたのは「デュエット」。グィネス・パルトロウやヒューイ・ルイスと一緒にアンサンブルキャストの一人だった。結構メインの役立ったにもかかわらず印象が薄いのは、やはりTV俳優の域を出られないのかなと思った。

その次の「死ぬまでにしたい10のこと」も印象は薄いものの、実はこの役は非常に彼らしいと言える。自分の死期を知ったサラ・ポーリーは誰にも知らせることなく自分の人生を終らせるための準備を始める。スピードマンは後に残される彼女の夫。何も知らずに子供たちと自分のために別の女性を用意されるなんて、あんまりといえばあんまりな役なんだけど、妻である彼女や子供たちに傾ける純粋な愛情が彼の優しい表情から感じられて、私は痛く彼に同情してしまい、この作品の見方に大きな影響を及ぼした。

「ダーク・スティール」なんて硬派な作品もある。汚職警官役のカート・ラッセルが主演。スピードマンは彼の相棒だが、ストーリー上、ポイントとなる重要な役どころ。この警察の内幕を描く埃と火薬と血の匂いが漂うような作品の中で、軟弱に見える彼がここでもまた印象に残る使われ方。ラッセルのキャラクターが活きてくるには彼の存在が欠かせない。

「アンダーワールド」以降は映画の活躍が増えているようだ。
「トリプルX ネクスト・レベル」なんて娯楽大作にも出演。主人公に振り回されるちょっと頼りないFBI捜査官。またかいって感じだけど、強烈なアウトローがヒーローの映画にはこういう役が必要だからね。無理なくこなすには適役かと(笑)。
ある意味タイプキャストになり気味の傾向にあるが、これからのことを考えれば今はそれでもいいのかも。
「フェリシティ」で注目され、映画で顔を見るようになってきたのは2000年以降だが、キャリアのスタートは95年頃。英国生まれだが育ったのはカナダ。TVシリーズやTVMにコンスタントに出演作があるので、このルックスだしカナダや米国では早くから人気なのかもね。
96年のTVM「デッド・サイレンス」という作品を見た。ジェームズ・ガーナーやマーリー・マトリンが主演のサスペンスで、スピードマンは若い捜査官。アクションもこなしそつなく演じていた。ファンだったら嬉しくなるようなこんな作品が日本ではお目にかかれないまま数多くあるようだ。

TV出身に多いカッコいいんだけどあまり印象に残らない二枚目俳優。少しずつでいいから演技力にも磨きをかけていい俳優になって欲しいと思う一人。見かけたら記憶に留めておいてあげてね♪

ジョディ・フォスター2007年11月23日 22時29分11秒

ブレイブ ワン(2007)
JODIE FOSTER   1962/11/19  USA

今頃何故な今度は女優です。映画ファンじゃなくても知ってる超実力派。彼女のポジションは不動のもの。彼女の実力に加えてその人間性と生き方とその存在感。ある意味孤高の人だよね。
子役時代から30年以上のキャリアは誰もが認めるもの。でも思うほど作品数は膨大ではない。子役からティーンの頃はその特異な演技力と大人びた雰囲気でいろいろと起用されていたが、大人の女性としての役を演じるようになってからは、作品が厳選されて1年に1本ペースが定着。

私の最初の彼女はたぶん「告発の行方」。オスカーを受賞した問題作。今じゃ珍しくないけどレイプシーンを初めて見たのもこれだったと思う。それよりも化粧もドロドロ、傷だらけの顔で激しい口調と表情がどんなに強烈だったか。演技派女優の初めてが彼女だったわけです。アカデミー賞を知ったのも彼女がきっかけではないかと思う
その後の「羊たちの沈黙」は言うまでもない。サスペンス映画にオスカーをもたらしたこの作品の凄さ。文句のつけようのないキャスティングとその演技。何回でも鑑賞に耐えられる。
このあたりで彼女は知性が漲る印象が固まる。実際にエール大学出身だし、最先端の女性の生き方を邁進してるというか~。ま、一般人とは違うレベルで人生を歩いている人ってことだやね。

「ジャック・サマースビー」や「マーヴェリック」、後には「アンナと王様」「ロング・エンゲージメント」なんかでクラシカルで女性らしいコスチュームの彼女を見るとブロンドで真っ白な肌の美人。それでも笑わない表情がきりっとするからいっそう知的なんだよね。女性的でも一捻りあるキャラクターばかり。

「ネル」「イノセント・ボーイズ」で製作に関わり、「リトルマン・テイト」では監督も。いかにも彼女らしい。ちょっと説教くさい気もするけど、彼女の精神がそういう時期だったんだろうなと。「ネル」はそういう役だからだけど無垢な感じがとてもよかった。純粋なんだけど力のある瞳。この映画、私は好きなんだよね。
個人的に好きなのがもう1本、「コンタクト」がそれ。またもや知性が光る学者の役だけど、自分の夢を純粋に信じることで報われる人の心に優しいSFだった。デヴィッド・モース演じる父親との再会シーンが美しくてとても好き。ジョディが幼い女の子に戻るあの表情がとても印象的。

近年になって増えたのが“強い母”の役。「パニック・ルーム」と「フライト・プラン」。自分も母親になった彼女がこの役に惹かれたのはわからないでもない。でもだからといって作品がいいかというとそうでもなさそうな。「パニック・ルーム」はまだしも「フライト・プラン」はねえ。いかにも過ぎてちょっと食傷気味になった。

これだという主演作じゃなくて「ロング・エンゲージメント」や「インサイド・マン」のようにふらりと助演で演技するのも、気負いがなくていい感じだ。これも孤高の女優の余裕かね。

さて、彼女をUPする気になったきっかけは新作の「ブレイブ ワン」。チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」のジョディ・フォスター版とでもいうか。ストーリーは判りやすい復讐もの。さすがに70年代ではないのでバイオレンスを痛快にかっこよくというわけにもいかない。まあ、彼女の主演なんだからそんなことは有り得ないけど。ラストの展開は是非が分かれるところだろうが、私が感じ入ったのはそういうところじゃなかった。
愛する婚約者を奪われた哀しみ。彼への愛ゆえに生まれた揺ぎ無い憎しみ。彼が生きていた頃の姿が余りに幸せな女性なのでその気持ちが痛々しくて切ない。
独特なラブシーンがあったが、こんなに胸が痛いラブシーンを観たのは初めてだった。ジョディ・フォスターならではかもしれない。切なくて美しい女の映画だった。
知的で強いイメージが定着している彼女だけど、女性らしさを演じる彼女の美しさ、愛らしさは目を奪われるほどに美しい。両方の魅力を持ち合わせていて且つ誰もが認める演技力。やはり大女優だねえ。

女優の運命たる年齢の波は彼女にも勿論訪れる。「ブレイブ ワン」の彼女もクローズアップ画面の顔には確かにシワが。でもそんなのも気にならないほど、年齢に関係なくひとりの女の感情を見せられて圧倒された。実際美しいと思ったしね。
余談になるが、ふと思った。メグ・ライアンもこういう役をやればいいのに。ロマコメの愛らしい女優から抜け出すのに汚れ役やセクシャル路線転向でと考えるのは安易だよ。こういう心が揺らされるような女の役がもっと欲しいなあ。

ダイアン・キートン、メリル・ストリープの次の代でトップを走る女優の代表格もいい年齢になってきた。だけど揺ぎ無い魅力が活きる作品でいつでも輝きを放っていて欲しい。だって女優はやっぱりスクリーンの華だもの。安心できる実力と美しさを兼ね備えた女優は貴重。最近心配なハリウッドの脚本力には本当に頑張ってもらいたいです。

ジャスティン・ロング2007年07月09日 00時04分17秒

ハービー 機械じかけのキューピット(2005)
JUSTIN LONG   1978/6/2  USA

私の好きなお気楽コメディでよく見る顔のジャスティン・ロング。去年までだったら何を紹介して顔を思い出してもらおうか悩んだところだが今はもう必要ないでしょう。この夏公開の「ダイ・ハード4.0」でブルース・ウィリスとほぼ全編に渡って行動を共にするあの彼なんだから。
ウィリス演じるマクレーン刑事の“ぼやき”のタネ、“不運”の元凶。全米を機能停止させるコードを開発したハッカー。開発後は殺されそうになるところをマクレーンに助けられてからは不運な彼と運命共同体。なよっちい彼がオタクの天才ハッカー小僧とはナイスキャスティング。ジャスティンにはウィリス本人からも直接電話がかかってきたんだそうだ~。
単なるアクション映画くらいに考えていた「ダイ・ハード」の続編が予告映像でウィリスの横でびびってる彼の姿を見た時、一気に期待が高まった。

彼を最初に見たのはなんとホラー。「ジーパーズ・クリーパーズ」でドライブ途中で死体遺棄現場を見てしまい、クルマを停めたがために恐怖の体験をすることになる姉弟。この「ジーパーズ・クリーパーズ」はホラーの中でもカルトなファンには結構好評だったらしく続編「ヒューマン・キャッチャー」が作られて、彼はこちらにもカメオ出演している。
ホラー映画お決まりの悲鳴を上げまくるティーンネイジャーだったから、その他大勢の若手俳優の道を行くのかと思いきや、ちょっと違う方向で見ることになった。

次に見たのは先に公開されていた「ギャラクシー・クェスト」。テレビシリーズ「ギャラクシー・クエスト」の大ファンというオタク青年役でこれが映画デビュー。
詳細は微妙だが確かにその役の彼がいたのは覚えている。どの役もおっかしな映画で好きなんだけど、また観たくなってきた。オタク青年のキャラは既にここから始まっていたのか。
「ギャラクエ」から進化した(?)次のコメディ路線は「ドッジボール」。これまた登場キャラがみんなおかしい、イっちゃってるおばかコメディ。凡そ体育会系に見えないジャスティン。ドッジボールですから当然のごとくなよっちい体にボコボコにボールをぶつけられまくる。コメディでの痛い笑いは定番。ブレッキン・メイヤー系のコメディをやれる次世代の俳優として期待できるぞ~と思った♪

若手俳優によくあるヒロインが主体の青春コメディはジャスティンにももちろんある。
1本はブリトニー・スピアーズの「ノット・ア・ガール」。ブリトニーとちょっと絡む役だったらしいが、全然記憶にない(笑)。映画の評判は散々。ラジー賞に挙がるくらいが話題になった程度かと。
もう1本の「ハービー 機械じかけのキューピット」は主演はリンジー・ローハン。ジャスティンは彼女の相棒なわけでささやかなロマンスもある。が、エンジニアの彼は相棒から先にはなかなか進めない不器用な奴。やっぱりここでもちょっと情けない。
元気いっぱいのローハンと対照的で微笑ましいっつーか。こういうキャラのジャスティンも作品自体も私はわりと好きだわ。

最近また1本、コメディなジャスティンを見た。「ハニーVS.ダーリン」である。「ドッジボール」のヴィンス・ヴォーンとジェニファー・アニストンだし。登場するなり、こりゃゲイだなと一目瞭然。相変わらずのなよっちさ爆発。これはまた笑えそうだと思った、のに~!この作品は途中からマジ。面白さとマジがぶつかっちゃってえらく中途半端。こんな邦題つけといてコメディだと思うに決まってるのにー。こういう作りはコメディにはいただけない。
ジャスティンはキャラからしてもほとんどコメディ的な演技だったので、どうやらカットされまくったようだ。特典映像にはその数々が。別エンディングのジャスティンは見ものなんだけど・・・まあ、流れからいってこのエンディングにならなかったのは当然かと。可哀想なジャスティン。

黒髪とこれまた真っ黒なぶっとい眉毛。愛嬌がある顔だがカッコいいとはちょっと違う。絶対コメディ向きのルックスだと太鼓判を押してあげよう。
「ダイ・ハード4.0」への大抜擢はとっても嬉しかった。今後これでどういうオファーが増えていくかわからないが、お願いだからコメディ路線は絶対に捨てないでくれ!

ジェームズ・バッジ・デール2007年04月14日 10時32分40秒

24 シーズン3(2004)
JAMES BADGE DALE  1978/5/1  USA

この顔に見覚えはあるだろうか?映画ファンにはまだそんなに馴染みがないと思う。私もそんなに数多くの作品で見ているわけではないのだが、発作的に取り上げたくなった。(笑)

彼の名前だけでもピンと来る人はTVドラマファンに違いない。彼をはじめて見たのは超人気TVシリーズ「24」のシーズン3。CTU職員のひとりで主人公ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)の若い相棒。しかも隠れてバウアーの娘とつきあっているという役どころだった。シリーズに新風を吹き込むキャラということで、めいっぱい元気に血気盛んなところを見せていたが、ストーリー上はたいした役目は担っていなかった。

人気シリーズにキャスティングされて注目されたことだろうが、私が彼の演技、俳優の魅力を感じたのは別のドラマだった。
「CSI:マイアミ」と「CSI:NY」のクロスオーバーエピソードに2話連続でのゲスト出演。彼は犯人役だったのだが、これが実に冷酷非道。冷たい表情で口元だけニヤリと笑う。若いくせに名クセ者アクターへの成長を期待させるものがあった。普通の善良な青年を思わせる一方で、顔色を変えずに人を手にかけられる二面性を持っている。そういうところは、ルックスはおよばないがポール・ベタニーのようなタイプではないかと。

映画では「ディパーテッド」に出演していた。マット・デーモンの同僚刑事の一人だったんですがわかります?黒人のアンソニー・アンダーソンともう一人いた白人の若い刑事。終盤でのひとひねりに彼をキャスティングしたセンスを感じたのは私だけかなあ?

つい最近観た「NOLA」でも印象的だった。エミー・ロッサムが主演で、人に心を開かない彼女と能力はあるのに無気力に生きている彼は、微妙な距離を置いて、挑発しあう。ケンカ腰の会話をしながら二人の間に生まれるケミストリーが、観ていて心地よかった。小品ではあるがなかなか良いと思ったのはこの二人の不器用なキャラクターと演じる彼らの演技が良かったからだと思う。

彼を見たネタはこれしかない。名前も顔も知らないが、両親ともに俳優らしく、彼は子役で「蝿の王」にも出ていたらしい。結構印象的な役だったらしいので、再見の機会があればチェックしたい。TVでの活躍が多いので、「ディパーテッド」以降、今後の活躍がどうなっていくか注目したいところだ。