トビー・スティーヴンス2008年11月10日 11時36分57秒

007/ダイ・アナザー・デイ(2002)
TOBY STEPHENS  1969/4/21 UK

いかにも正統派英国人俳優的ルックス。血統が良さそうに見えるが確かに。両親はロバート・スティーヴンスとマギー・スミス。なるほど、なるほど。彼のひんやり冷たい感じは母親譲りなのかな~・・・なんてね。ルパート・グレーヴスと似た系だが、スティーヴンスは彼ほど甘さがない。

すでに何本かで目にしていたはずだが、非常に印象深く一気に注目するに至ったのは、「007/ダイ・アナザー・デイ」の悪役。セレブなダイヤモンド王のグスタフ・グレーヴスの冷酷さはそのまま舞台のアイスランドで彼の個性が際立つ。ニヤリとするあの独特な口元。やらしく悪徳商人って感じだが、私はそこが好き(笑)。コリン・ファースとか不敵な笑みや仏頂面が様になる人って魅力的♪
最近の007の悪役らしく、グスタフ・グレーヴスは結局はなんじゃそりゃ~な正体を見せるわけだが、まぁグレーヴスの時はそれなりにカッコがついていて私は好き。相手するボンドにすれば悪役にしては若く小粒な感じは否めないが、こんな若造もたまにはいいだろう。フェンシングの場面とか、かっちょよかったじゃないすかっ!(ダメ?)
何はともあれ007の悪役へのキャスティングは本人にとっても楽しかっただろうし、キャリアを飾るに十分な1本だったはず。

改めて、旧作を遡ると「十二夜」「従妹ベット」「オネーギンの恋文」と、ほとんどがコスチュームプレイ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの出身でもあるし、基本があってこの手の作品はお手の物。というかオファーがくるのは至極納得。レイフ・ファインズとライナス・ローチが来日公演した「コリオレイナス」。演劇賞を受賞しているスティーヴンスの舞台も観てみたい!
本格的なものからコメディまでひと通りはこなしてきているのだろう。どれも安心して観ていられる。あまりコメディの印象がなかったのだが、思い起こせば「十二夜」は笑えた。シェイクスピアの原作そのものがコメディだが、なかでもこれは全体のドタバタ感がなんとも可笑しい。イモジェン・スタッブスが男装してスティーヴンスに仕えるのだけど、ヘレナ・ボナム・カーターに迫られる。スティーブンスも部下として気に入るんだけど、妙な感情が芽生えて・・・って、いくらなんでもわかるだろっての。

「妖精写真」の舞台は1912年。かの有名なコティングリー妖精写真事件をヒントにした物語で、スティーヴンスは妖精写真に魅せられ取り付かれて自身を見失っていく写真家を演じる。折り目正しい英国紳士的な青年が次第に狂気じみていく様は見ていて凄まじいものがあった。

2006年のTV版「ジェイン・エア」のロチェスター卿も過去に闇を現在も秘密を抱え、その影に苛まれ続ける男。ウェイブのかかった長髪の見た目に一瞬ぎょっとしたが、慣れるとそんなに悪くない(笑)。不幸を抱えた身のため故か、無愛想で偏屈な、人当たりが良くない口の利き方も知らんようなロチェスター。それでもジェインを愛するようになるのだが不器用っつーか、またあの引きつったような笑みを見せるぶっきらぼうな言動がなんか可愛くも見える。

さらにまたしてもTV版「華麗なるギャツビー」。映画ではロバート・レッドフォードが演じたジェイ・ギャツビーを英国人のスティーヴンスが?と、やや懐疑的ではあったのだが、まあ、観てなるほど。舞台はアメリカだがNYの上流社会を描いた作品。ギャツビーの正体や過去云々はあるものの“華麗なる”ギャツビー像にスティーヴンスというのはわからなくもない。ブロンドに青い瞳のレッドフォードとはちょっと違うが、十分上流社会の人間ぶりは伺える。もともとの育ちの良さが見えるというかカチッとした印象がある。がしかしそこで終わらないのが彼の持ち味。ギャツビーの謎めいた過去や、内に秘めた情熱ゆえに結末を迎える悲恋を考えるとますますスティーヴンス向きだったかもと思える。
上流社会の“ぼんぼん”みたいに生まれ育ちはいいんだけど問題があるとか、こういう一筋縄ではいかない性格の人物に非常に良く似合うのがスティーヴンスの強みじゃないかと。

「抱擁」は現代劇だが、これまた癪に障るタイプ。敵に回すのがアーロン・エッカートだから嫌われて当然な役回り。
もう1本の現代劇「スペース・カウボーイ」では、クリント・イーストウッドの若い頃!公開当時はスティーヴンスだとは知らなかったんだけど、イーストウッドおやじに似てるな~と思った私。似てない?相変わらず口元をひん曲げてニヤリと笑うあたり。スティーヴンスに“Go ahead. Make my day.”と言わせてみたいんだけど♪

地味だけど1本1本着実に仕事をしているといった感じがする。焦らなくても自分の持ち味と土台があるから、舞台やTVといった映画に限らない英国で俳優でいる限り、彼の姿はこれからもあちこちで観られるだろう。俳優のサラブレッドだということも忘れてしまう個性もある。まあ、ご両親も個性派といえば個性派かな?私としては、“ありがとう、マギー・スミス”ってとこでしょうか♪

ティモシー・オリファント2008年04月27日 09時46分36秒

恋は突然に。(2006)
TIMOTHY OLYPHANT  1968/5/20 USA

以前、“「ドリームキャッチャー」のメインキャスト”の一人として取り上げたんだけど、近年になって久しぶりにスクリーンで顔を見たのでピックアップしてみた。

多分、最初に彼を見たのはクリスティナ・リッチの「ピンク・モーテル」。ちょっとカッコいい全然普通の好青年。その程度の印象だったんだけど、「go」、「ブルドッグ」の小者チンピラ役のはまり具合が可笑しくて記憶に残る(笑)。
でもやっぱり強烈に印象付けたのは「ドリーム・キャッチャー」。ものを探す能力があったために可哀想な死に方をしてしまったピート役。みんなに可愛がられる雰囲気を持つ彼は最初に見た「ピンク・モーテル」に似たタイプ。役の悲劇性もあるからかもしれないけど、私はこのピート役の彼が一番好きなんだなあ。

さてその後、お目にかかる作品数はそんなに多くはないけど、出てると気になる俳優になった。レンタルの棚で彼の名前を見つけると手が伸びる。彼のファンの方のお陰で未見作品も観られたし(感謝!)。
「ブロークン・ハーツ・クラブ」ではゲイで結構びっくり。軽快だけど、どこか硬派な感じがしてゲイの匂いとは対極にいるイメージだったから。でも見てみるとかわいいかもね(笑)。
ゲイではないけどルックス的にまたびっくりだったのが「ロック・スター」。ウェイビーなロン毛!目がパッチリしていて顔立ちがはっきりしてるから似合うのね。初期のボン・ジョヴィやヴァン・ヘイレンを思わせるロッカーぶりがなかなか。ちょっと懐かしかったぞ。
マーク・ウォールバーグのバンド仲間であり親友の彼。衝突しながらも友情の厚さを感じさせるラストシーンが好き。ロックバンドを背景にした青春映画で作品的にも好みなんだけど、キャスティングも私にはかなり豪華で楽しいし、音楽も好きでサントラは愛聴盤。

「ピンク・モーテル」以来観たことがなかったラブストーリーを、最近DVDで見つけて小躍りしてしまった(笑)。劇場公開にはならなかったが、ジェニファー・ガーナー主演ってことでリリースされたと思われ、ファンにはラッキー♪
「恋は突然に。」って邦題は難だが、リリースされただけで善しとしよう。ガーナーを囲む男たちの中でも、ちょい毛色が違うアウトローなキャラクター。年齢的にちょっと渋さが加わって今までと違った雰囲気になったかも。こんなのもありなのかと、ちょっと感心。このまま役の幅が広がっていくといいんだけど。

「ガール・ネクスト・ドア」はチンピラ系の彼。相変わらず軽快な男だがそろそろ小者チンピラをやるには年齢が厳しいかも。眼光鋭くてギラギラはしてるんだけどこういう役には若さがないとダメな気がする。
このキレた系は、「go」などはまり役のチンピラから、「スクリーム2」の映画オタクのガキんちょなど、意外とタイプは様々。
「プライベート・ソルジャー」での砲撃の恐怖で精神的におかしくなってしまった兵士。彼のキレ演技はかなりリアル。戦場の兵士にはこんな人もいただろうと・・・。
ちなみにこの作品。全滅必至の作戦を強いられた前線の兵士たちを描いたジョン・アーヴィン監督のTVM作品で、戦争映画ファンの中でも戦場ドラマとして評価は高い。それだけに意味を成さないタイトルは不評の嵐。原題は「When Trumpets Fade」。

昨年公開のハリウッドメジャー大作「ダイ・ハード4.0」で、ブルース・ウィリス相手に敵役に回ったオリファント。あまりにメジャー作品過ぎて、予告でジャスティン・ロングと一緒に彼の姿を見た瞬間はのけぞった。この手の作品には縁がないものと思っていたからねぇ。
彼のキレ演技は犯人役には悪くないとは思うが、悲しいことにITを駆使した頭脳戦を展開する知的犯罪者には見えんのだな~。主犯にしては小ぶりだし、“ジョン・マクレーン”の相手にしては物足りないと言わざるを得ない。残念っ。

しかーし、またもや劇場で、しかも主演作「ヒットマン」でお目見えしたオリファントは一見の価値ありかと。ゲームが元ネタのアクションで、タイトルからもわかるように殺し屋のお話。オリファントは、ほんっとに驚いたことに主演なのだ。
生まれながらにして殺し屋として、兵器として、組織に育てられた男がその組織に裏切られて追われる立場になる。陰謀を暴くべく孤軍奮闘する殺し屋をスキンヘッド(!)で熱演。キレ演技を抑えて、眼光の鋭さを活かして落ち着いた雰囲気を維持したのは正解。年齢的にも今までのチンピラはもう続かないと思っていたので、これはいい展開ではないかと。
作品としてはそこそこ面白く観た。アクション映画にありがちなヒロインと必要以上のお色気シーンもなし。そこが作品の方向性が明確で好印象を持った。
そうは言っても作品の種類としてはB級扱いされてもおかしくない。よく日本で公開されたなと思う。しかもシネコンで公開というからさらにびっくり。

何度も言ってるが、彼のキュートな持ち味だが、チンピラ役には年齢的に限界がある。「恋は突然に。」や「ヒットマン」といった近年の作品で見せた新しい魅力にちょっと安心した。日本でも思っているよりファンはいるんじゃないかと思う。今後も期待してるからね~。

トム・ホランダー2008年02月22日 05時19分21秒

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド(2007)
TOM HOLLANDER   1967/8/25  UK

久々の俳優の登場であるが英国俳優を取り上げるのは久しぶりだな。ここ最近、英国映画でぴんとくるものがなくて、ハリウッド映画でのマイナー俳優に目を留めることが多かったのだけど、実はホランダーもかなりのハリウッド進出派の英国俳優。クリスチャン・ベールやクライヴ・オーウェンなどの主演級じゃなく、傍役としてハリウッドメジャーにバリバリ出演しているタイプ。

いや、英国でコンスタントに活躍してるんだと思うんだが、日本に入ってこないんでわからないだけ。よく目にするのは、ハリウッドメジャー映画で起用されやすいはまり役があるから。
なんつっても「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」のベケット卿。憎まれ役の極地。この手の役は度々見られるので記憶にある方もいるんじゃないかと。

最初に彼を見たのは生粋の英国映画。「マーサ・ミーツ・ボーイズ」。アメリカ娘を取り合う3人の英国男の一人で、ジョセフ・ファインズ、ルーファス・シーウェルとどたばたを繰り広げるコメディだった。彼がTV業界人だったのが笑えた。派手なファッションでいかにもな態度。最初はコメディアンなのかと思った。

でも彼が注目される役柄は違った。「プライドと偏見」「パパラッチ」に、先の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなど、ほんっとに憎たらしいったらありゃしないキャラクター。力の有無も様々、笑えるキャラもあればマジでイラつくくらいやな奴キャラまで。でも概して好感の持てない役なんだなぁ(笑)。

そして似合うのがいかにも英国人的な佇まい。クラシカルなものから現代まで、彼には一貫したクールさがある。
「リバティーン」「エリザベス ゴールデン・エイジ」での彼は憎まれ役に限らない微妙な冷たさを湛えた味わい。コスチューム物に違和感がまったくないのが英国人俳優らしいところ。「ゴスフォード・パーク」や「プロヴァンスの贈りもの」などの現代物にしてもどこか居住まい正しい英国人をばりばり感じさせるような個性は彼ならではだろう。

「パパラッチ」のように小粒な役だけでハリウッド進出では寂しいけれど、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの出演は決して彼にとってマイナスではないだろうし・・・。彼の今後の行方が危惧されるところだが、英国人俳優はそこで留まらないから安心できる。ハリウッド作品に出ていても、次に英国に戻ってTVシリーズに出たり、小さな英国作品に出たり、自分を見失ってはいないのよね。ああ、よかった♪
マイナーな英国作品はすぐに観られることはないけれど、彼が自分の持ち味を見失わないで活躍を続けてくれれば文句はない。格別二枚目でもないし、主役を張れるタイプではないけれど、息の長い活躍を期待したい英国の性格俳優だ。

デヴィッド・クラムホルツ2007年11月24日 22時53分43秒

NUMB3RS ナンバーズ(2005~)
DAVID KRUMHOLTZ   1978/5/15  USA

一転、久しぶりのマイナー俳優。さあ、彼を知ってますか~?。でも映画ファンなら彼の顔は何度かは見ていると思います。そこそこ面白いラインナップの出演作。その選択はセンスいいと思う。

彼を最初に見たのはお気楽青春映画「恋のからさわぎ」。ヒース・レッジャーとジュリア・スタイルズ主演のやつです。彼らが主演なんだけどそのふたりそっちのけで笑いを取っていた準主演的な二人の男の子キャラがいたんだけどジョセフ・ゴードン・レヴィット(彼についてはもしかしたらそのうちね)とクラムホルツ。このクラムホルツのキャラが傑作だった。微妙に苛められっ子っぽい役で図体のでかい同級生にいじくり回されてるんだけど、顔にマジックでちん○の絵を書かれるという苛めははじめて見たぞ!クラムホルツ演じるその子のキャラはそんなの慣れっこでちっともめげないんだけど、顔にその絵があるまま出ている時間が結構長い。クラムホルツの心境やいかに?楽しんでるんだろうか?ストーリーより気になってしまった。ちなみにこの作品、私は好き♪

「Fカップの憂うつ」「リバティ・ハイツ」などのコメディでのポーカーフェイス的な微妙な雰囲気は彼ならではのもの。「恋のからさわぎ」での彼の可笑しさはある意味その集大成だったような気もする。

最初がそれなので彼のことは忘れられるわけがなく、その後あちこちで見かけるたびに注目俳優の一人になっていった。「リバティ・ハイツ」「アイス・ストーム」「舞台よりすてきな生活」「サイド・オブ・ニューヨーク」「セレニティ」「ボビー」といったインディペンデント系の小品、製作に俳優が関わる小作品も多いんだけど仲間が多いのかな。そういう傾向があるからこだわりの感じられる作品でよく顔を見かけるし群像劇っぽいものも多い。こういう使われ方をしてる俳優って絶対に独特の魅力があるからだと思う。監督やキャスティングディレクターましてや俳優仲間の記憶に残ってるんだろうなと。
「RAY/レイ」や「ザ・メキシカン」などの大作の傍役に名を連ねてるのもそのためだと思う。

映画デビューは93年の「ライフwithマイキー」。マイケル・J・フォックスがマネージャーをするタレント事務所の子役スターだった。「アダムズ・ファミリー2」や「サンタクローズ」などの子役時代の彼を覚えているだろうか?それ以前に10歳くらいから舞台に立ち13歳でブロードウェイデビューしている。出演作の傾向がなんとなく頷けるような経歴。

ハンサムとはいえないけど親しみの持てるルックス。「プリティ・イン・ニューヨーク」「サイド・オブ・ニューヨーク」などで一応ラブストーリーも経験済み。ちょっとコメディだったり、一筋縄ではいかない捻った感じがこれまた彼らしいかも。

捻った感じ、ポーカーフェイス・・・そこに最近加わった新しい魅力を発見。それが、ちょっとオタク的な雰囲気(笑)。
いやいやバカにしたもんではない。最近映画ではあまりお目にかからないなと思っていたら、彼もTVドラマのシリーズに出演中だった。これを観る機会があったんだけど、なかなかいいんだこれが!
「NUMB3RS ナンバーズ」がそれ。1話完結のサスペンスだが、主人公たちの設定が面白い。FBI捜査官の兄にロブ・モロー(彼もいずれ取り上げたい♪)、彼の天才数学者の弟がクラムホルツ。この彼が天才数学者の名のとおり、アルゴリズムとかフィボナッチとか統計学、数学的知識、数学的直感(?)を駆使して現場主義の兄とは違う観点からヒントを見つけて難事件の捜査に協力する。
クラムホルツの天才振りがはまりすぎ。彼の独特なルックスと雰囲気がぴったり。これはいいキャラクターだ。典型的なエリートFBI捜査官の兄役のモローとのコンビがとても良い。この兄弟の微妙な関係や掛け合いもドラマ上のウェイトが大きく毎回見応えがあった。ドラマの評判もかなりいいらしい。

一度TVに行かれて人気になってしまうと数年は映画に戻って来れなくなるのが常だから、新作でお目にかかれなくなるのが寂しいところだが、性格俳優の域をマイペースで追ってくれそうな彼のことだから息の長い活動を続けてくれるんじゃないかと思っている。

ドナル・ローグ2007年08月25日 00時07分57秒

恋人はゴースト(2005)
DONAL LOGUE   1966/2/27  カナダ

中途半端な顔の俳優シリーズさらに続く。
この人を知っていたらあなたは傍役俳優通。(笑)
いやいやフィルモグラフィーを見たら観てるのばっかりなんだけど、それも90年代初頭から現在にかけて20本強。だけど認識したのはつい最近の3本ほど。それほど中途半端で地味な顔の俳優の代表格と言ってもいいかも(笑)。前にUPしたノア・エメリッヒと似てるよね。エメリッヒは比較的初期から主人公の相棒役が多かったから認識できたけど、ローグは役が小さくてその他大勢が大半だった気配濃厚。ハリウッドで長いこと下積みさながら傍役俳優の道を歩んできたタイプのようだ。

認識できてないけど彼の出演作はハリウッド大作、話題作がごろごろ。
一番古いところだと「スニーカーズ」だけどあのロバート・レッドフォードの仲間にはいなかったと思うから警官か侵入した企業の人間か?「ディスクロージャー」「ザ・エージェント」もマイケル・ダグラス、トム・クルーズのいた企業の社員とかそんなところだと思うし、「ネゴシエーター」も警官でしょう。「パトリオット」は兵士の一人に違いないしー。
「ミリオンダラー・ホテル」はあのホテルの住人の中にいたのね、きっとー。「レインディア・ゲーム」ではべン・アフレックが加わった強盗仲間の一人だったらしい。
「若草物語」「プリティ・ブライド」にも出ていたらしいが皆目見当つかず。
「ブレイド」ではウェズリー・スナイプスと戦ったヴァンパイアの一人らしいから多分にバリバリの特殊メイク。わかるかいっ!

なかなかすごいラインナップでしょ?なのにわからないのさ。わからないのに挙げるなよ。ごもっともなんですが、これから再見の際の課題ということで~。(大汗)

数少ないながら、ちゃんとわかるものもあるので・・・。
小さい役だけど「コンフィデンス」で、エドワード・バーンズの詐欺集団を追う刑事で、ルイス・ガズマンの相棒だった。あ、いたじゃん!って感じ。ロン毛でややメタボ気味。ガズマンもだけど刑事に見えないって(笑)。
すごく目立っていてちゃんと顔を認識したのは「ゴーストライダー」。きっとこれで顔を思い浮かべてくれる方がいるんじゃないかと。
ニコラス・ケイジのスタントマネージャー、マック役。出番はそんなに多くないけど、この作品は顔がちゃんとわかる登場人物が少ないから(笑)。
このくらいの相棒役をやってくれればすぐ覚えられるタイプなんだけどね。エメリッヒみたいに年齢なりの小太り体型。人の良さそうな顔で親友役にはうってつけって感じ。エメリッヒよりもっと人懐こそうな笑顔だ。
彼を見たとき、初めて見たような気がしなかったので数ある出演作のどこかで見ていて、記憶の片隅には残っていたんだと思うのだよねえ。私には比較的好印象のタイプだから。

この後、すぐに偶然CSでやっていた「奇跡の旅2/サンフランシスコ大冒険」を観たら彼がいた。
「奇跡の旅」の主人公は犬と猫。飼い主とはぐれた彼らが家路を目指す途中で出会う野犬を捕獲して動物実験用に売ろうとする二人組の片割れがローグ。
主人公の活躍にコメディタッチでやり込められるキッズ映画の悪者の役目を立派(?)に果たしていた。

最新作「ゾディアック」でも彼を見た・・・んだけど、どの役だっけ?すみません~。20年近くに渡るストーリーで登場人物が膨大で知ってる顔もうじゃうじゃ。出演したのが数シーンしかない人も結構いてローグもその一人だった。捜査の段階でちらりと出てきたんだと思ったんだけど、いずれ再見して確認しよう。
     
さて今一番印象に残るのは「恋人はゴースト」。残念ながら未公開作品なのだが(なぜ!?)、これのローグの役は重要。意識不明の状態のリース・ウィザースプーンのアパートに越してきたマーク・ラファロの親友。妻を亡くして立ち直れないでいるラファロを元気づける快活で豪快な精神科医のローグは映画の後半になるほど登場が増え、楽しいキャラでロマンティックコメディに笑いを追加する。そう、彼は「奇跡の旅2・・・」でも見せていたが、コメディがイケる。
この「恋人はゴースト」を観て、ローグの今後にめちゃめちゃ期待したいのだった♪

さて、ローグはカナダ出身だがカリフォルニアで育ち、ハーヴァード大学で学んだ経歴を持つ。なんと彼もまた脚本も手がける才人なのであった。こんな地味な人だから日本では知る由もないが、本国では主演作もあるようで、出演作の本数から見ても知名度はそこそこあるみたいだ。
もしかしたらTVにも・・・。ここまで来て気がついた。日本でも人気のTVシリーズ「ER」。スーザン(シェリー・ストリングフィールド)の恋人のチャックがもしかしなくても彼じゃないのさ!そりゃあ、見た顔のはずだよ~。

お後がよろしいようで。ちゃんちゃん♪