エドワード・ノートン ― 2008年08月24日 19時29分11秒
EDWARD NORTON 1969/8/18 USA
映画デビュー作の「真実の行方」から度肝を抜く演技で、アカデミー助演男優賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ助演男優賞を手にした、誰もが認める演技力の持ち主。そんな彼を取り上げるのも今更な気もするが、この夏の数あるアクション映画の1本「インクレディブル・ハルク」で、思いがけなく楽しませてもらって、改めて彼に注目してみた。
そう、最初に見たのはまさしく「真実の行方」。初めて見る少年のような俳優はリチャード・ギア相手に一癖も二癖もあるところを見せて、驚愕の結末へ。先行き恐ろしい俳優が出てきたと思ったものである。
しかしながら次に見たのは「世界中がアイ・ラヴ・ユー」。なんとウッディ・アレン作品で歌って踊るノートンだった。作品選びが意外で幅があり、観る者を驚かせながらも、決してハズしてはいないところが面白いというか。
同年に公開されたもう一本の「ラリー・フリント」もびっくりな作品だった。
実在するポルノ雑誌「ハスラー」の創刊者ラリー・フリントの奇抜な半生を描いた作品で、ノートンはラリーの弁護士役。キワモノ演技はウッディ・ハレルソンに任せて、ノートンは機微ある役どころで脇を固める。
この抑え気味の役どころもある意味ノートンの持ち味だと、後々わかってくる。同じタイプが「ファイト・クラブ」。こっちのキワモノはブラッド・ピットが演じた。抑えた役ではあるものの、ストーリーが進むにつれて、彼の役回りが大きな意味を持ってくるところがミソ。かなりの存在感を感じさせるのはノートンならではかもしれない。
嵌るのが当たり前のような心理ドラマはなんて安心して観ていられることか。「アメリカン・ヒストリーX」「25時」など胸を打つ演技だ。
ノートン自身がキワモノを演じたのも勿論ある。「ラウンダーズ」「スコア」など結構キテいるかと。キワモノ的でも中身がそうとも限らないのもまた一捻りあるというか・・・「デス・トゥ・スムーチー」はピンクの着ぐるみを着てコメディ演技を見せ、「キングダム・オブ・ヘブン」では仮面を被り顔がまったく見えないながらも声だけでノートンの存在感は抜群。
そんな存在感は善人だけでなく敵役や微妙な立場に回ることがあるのも頷ける。「ラウンダーズ」「スコア」も「ミニミニ大作戦」もそうだ。
悪役やキーポイントとなる役者が面白いとサスペンスやドラマはさらに面白くなる。
ノートンの演技は映画デビュー以前に相当数の舞台経験から培われてきたもの。加えてイェール大学史学科を卒業したインテリ。父は連邦主席検察官で母は元高校教師。建築家である祖父の仕事の関係で、大学卒業後に大阪に住んでいたこともあるおまけつきの異色の経歴の持ち主。こんな環境に生まれ育ち、見聞きしてきたものがどれだけ彼に影響を与えてきたか計り知れない。
コメディから社会派作品、人間の深層心理を突いた感慨深いドラマまで幅広くこなせるのは納得というもの。
また、そんな彼のことだから俳優としての演技だけではなく、脚本や監督に進出するのも当然の流れだろう。脚本はクレジットなしで「フリーダ」に関わったり、「僕たちのアナ・バナナ」は監督も。
意外だと思った「インクレディブル・ハルク」。CGバリバリの緑の怪物を何故ノートンが?そう思ったファンは多いはずだ。私も懐疑的だった一人なのだが、エンタメ作品は好きなのでとりあえず観ておこうかと・・・。ところがうれしい驚きで、これがなかなか♪
確かに緑の怪物になってしまうとノートンだとは、ほとんど感じられないのだが、ブルース・バナーのキャラクターの深さがかなりのものでノートンのストイック演技は魅力的かと。しかもこれほどラブストーリー色が強いとも思わなかった~。
この「インクレディブル・ハルク」もノートンが脚本を手がけている。意外とロマンティック路線が好みなのか、監督した「僕たちのアナ・バナナ」も言ってみればラブコメディだったし。「インクレディブル・ハルク」の会見で冗談めかして「リブ・タイラーとのキスシーンを書きたかった」と笑ったが、ラブシーンの描き方・・・結構イケるんではないかと思いますよん♪
ラブストーリーというかファンタジーっぽい「ダウン・イン・ザ・バレー」、重厚なサスペンスなら「レッド・ドラゴン」でレクター博士との対決も果たすなど、ジャンルを問わず様々な作品でそれぞれのノートンを見せてくれる。
当り前といえば当り前の実力派俳優。彼のサイトなんか山ほどあるだろうからこれ以上ここで過去作品について細かく語る必要もないだろう。
私が思うのは、彼が次に何をやるのか、意外なチョイスでこれからも驚かせてくれるんだろうし、期待はずれなことはそうそう起こらないだろうということ。
超インテリで、クセモノ俳優で、でもロマンティックなところもあり、喋らせるとチャーミングでインタビュアーを喜ばせる。人間的にも相当頭がいいノートン。ハリウッドでも貴重な俳優の一人として独自の道を進んでいって欲しい限りだ。
映画デビュー作の「真実の行方」から度肝を抜く演技で、アカデミー助演男優賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ助演男優賞を手にした、誰もが認める演技力の持ち主。そんな彼を取り上げるのも今更な気もするが、この夏の数あるアクション映画の1本「インクレディブル・ハルク」で、思いがけなく楽しませてもらって、改めて彼に注目してみた。
そう、最初に見たのはまさしく「真実の行方」。初めて見る少年のような俳優はリチャード・ギア相手に一癖も二癖もあるところを見せて、驚愕の結末へ。先行き恐ろしい俳優が出てきたと思ったものである。
しかしながら次に見たのは「世界中がアイ・ラヴ・ユー」。なんとウッディ・アレン作品で歌って踊るノートンだった。作品選びが意外で幅があり、観る者を驚かせながらも、決してハズしてはいないところが面白いというか。
同年に公開されたもう一本の「ラリー・フリント」もびっくりな作品だった。
実在するポルノ雑誌「ハスラー」の創刊者ラリー・フリントの奇抜な半生を描いた作品で、ノートンはラリーの弁護士役。キワモノ演技はウッディ・ハレルソンに任せて、ノートンは機微ある役どころで脇を固める。
この抑え気味の役どころもある意味ノートンの持ち味だと、後々わかってくる。同じタイプが「ファイト・クラブ」。こっちのキワモノはブラッド・ピットが演じた。抑えた役ではあるものの、ストーリーが進むにつれて、彼の役回りが大きな意味を持ってくるところがミソ。かなりの存在感を感じさせるのはノートンならではかもしれない。
嵌るのが当たり前のような心理ドラマはなんて安心して観ていられることか。「アメリカン・ヒストリーX」「25時」など胸を打つ演技だ。
ノートン自身がキワモノを演じたのも勿論ある。「ラウンダーズ」「スコア」など結構キテいるかと。キワモノ的でも中身がそうとも限らないのもまた一捻りあるというか・・・「デス・トゥ・スムーチー」はピンクの着ぐるみを着てコメディ演技を見せ、「キングダム・オブ・ヘブン」では仮面を被り顔がまったく見えないながらも声だけでノートンの存在感は抜群。
そんな存在感は善人だけでなく敵役や微妙な立場に回ることがあるのも頷ける。「ラウンダーズ」「スコア」も「ミニミニ大作戦」もそうだ。
悪役やキーポイントとなる役者が面白いとサスペンスやドラマはさらに面白くなる。
ノートンの演技は映画デビュー以前に相当数の舞台経験から培われてきたもの。加えてイェール大学史学科を卒業したインテリ。父は連邦主席検察官で母は元高校教師。建築家である祖父の仕事の関係で、大学卒業後に大阪に住んでいたこともあるおまけつきの異色の経歴の持ち主。こんな環境に生まれ育ち、見聞きしてきたものがどれだけ彼に影響を与えてきたか計り知れない。
コメディから社会派作品、人間の深層心理を突いた感慨深いドラマまで幅広くこなせるのは納得というもの。
また、そんな彼のことだから俳優としての演技だけではなく、脚本や監督に進出するのも当然の流れだろう。脚本はクレジットなしで「フリーダ」に関わったり、「僕たちのアナ・バナナ」は監督も。
意外だと思った「インクレディブル・ハルク」。CGバリバリの緑の怪物を何故ノートンが?そう思ったファンは多いはずだ。私も懐疑的だった一人なのだが、エンタメ作品は好きなのでとりあえず観ておこうかと・・・。ところがうれしい驚きで、これがなかなか♪
確かに緑の怪物になってしまうとノートンだとは、ほとんど感じられないのだが、ブルース・バナーのキャラクターの深さがかなりのものでノートンのストイック演技は魅力的かと。しかもこれほどラブストーリー色が強いとも思わなかった~。
この「インクレディブル・ハルク」もノートンが脚本を手がけている。意外とロマンティック路線が好みなのか、監督した「僕たちのアナ・バナナ」も言ってみればラブコメディだったし。「インクレディブル・ハルク」の会見で冗談めかして「リブ・タイラーとのキスシーンを書きたかった」と笑ったが、ラブシーンの描き方・・・結構イケるんではないかと思いますよん♪
ラブストーリーというかファンタジーっぽい「ダウン・イン・ザ・バレー」、重厚なサスペンスなら「レッド・ドラゴン」でレクター博士との対決も果たすなど、ジャンルを問わず様々な作品でそれぞれのノートンを見せてくれる。
当り前といえば当り前の実力派俳優。彼のサイトなんか山ほどあるだろうからこれ以上ここで過去作品について細かく語る必要もないだろう。
私が思うのは、彼が次に何をやるのか、意外なチョイスでこれからも驚かせてくれるんだろうし、期待はずれなことはそうそう起こらないだろうということ。
超インテリで、クセモノ俳優で、でもロマンティックなところもあり、喋らせるとチャーミングでインタビュアーを喜ばせる。人間的にも相当頭がいいノートン。ハリウッドでも貴重な俳優の一人として独自の道を進んでいって欲しい限りだ。

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