ポール・ジアマッティ2009年01月25日 11時55分26秒

シンデレラマン(2004)
PAUL GIAMATTI  1967/6/6 USA

よく見る傍役オヤジ俳優の一人で、彼についてもいったいどれが最初だったのか覚えていないし、作品名を見てもどんな役だったのか忘れてしまったものもある。しかしながらここ数年、印象的な役や主演作も出てきてめきめき注目されるようになった名優である。

オヤジ俳優 と書いたが改めて気がついた。同い年だった~。若い頃から今と印象が変わらないのでもっと年上かと思っていたわ。私が覚えているところで一番古いのは「プライベート・ライアン」の兵士の一人か「交渉人」の人質かなぁ。アクが強い傍役で、あのギョロっとした目と早口で捲し立てる喋り方が多くの登場人物の中にいても強烈な印象を残す。
その前に「サブリナ」「誘惑のアフロディーテ」「判決前夜」でも見ていたらしいが、はて?「ベスト・フレンズ・ウェディング」「フェイク」はちょっとおぼろげに憶えてるかも・・・。「デュエット」では歌ってたっけ?「トゥルーマン・ショー」はエド・ハリスの部下でお月様の中にいたんだっけ?「シングルス」は再見して確認。はいはい、いましたね~。これがデビューだそうだ。

一人の役として個性が強いのは「PLANET OF THE APES」(笑)。メイクが似合いすぎと言ったら怒られるでしょか。もちろん"猿"役です。狡猾な役で妙にぴったりなキャラでした。

これがハマリ役だなんてあんまりなので、本当のハマリ役を挙げましょう。「マン・オン・ザ・ムーン」でジム・キャリー演じる主人公をずっと見つめてきた友人。「ビッグ・ママス・ハウス」はマーティン・ローレンスの変身を手伝ってあげる彼。「ペイチェック」ではベン・アフレックを助けてたし、主人公の側にいて支えてあげる役回りが結構ある。その最たるものが「シンデレラマン」でラッセル・クロウをずっと支持して助けてくれたトレーナー兼マネージャー(?)役。これでアカデミー賞の助演男優賞ノミネートはすごく納得だった。真剣になって友を助けようとする姿勢に心打たれる。逆境に立たされた時にあのギョロ目と早口で真剣に熱く叱咤激励してくれる、かなり頼もしい存在。実際にこんな人が側にいてくれたら嬉しいと思うもの。

傍役で重宝される立場でありながらインデペンデント映画では活躍の場が広い。実力ある俳優のタイプ。「ストーリーテリング」や「アメリカン・スプレンダー」のような個性的な作品で重要な存在を見せつけている。「アメリカン・スプレンダー」の主演は特に注目を集め評価された。

近年の活躍はますます目覚しい。「シンデレラマン」の他に主演作で話題になり各賞を受賞した「サイドウェイ」も。見ての通り二枚目のタイプじゃない。どこにでもいる普通の人だからヒューマンドラマは勿論だが、そんなに甘くないラブストーリーが身近でリアルに感じられるのだと思う。
この2004年辺りから彼の快進撃が始まった。M・ナイト・シャマランの「レディ・イン・ザ・ウォーター」でも主演。こんな不思議な世界もジアマッティの個性が意外にマッチして面白いのかもしれない。

そしてまた新しい一面が。普通の人で基本的に"善良"で"良心"を前面に見せる役がほとんどだったので、かなりびっくりしたのが「私がクマにキレた理由」でのローラ・リニーの夫。家庭を顧みない愛人のいる冷酷な男。もともと人相は怪しいかもしれないが、ジト目でニコリともしないと冷酷さが際立って怖いくらいだった。傍役俳優だからよく考えれば当り前なんだけどあまりそういうイメージがなかったのは確か。続けて「シューテム・アップ」を観たら強烈な悪役だった。ギョロ目をさらに大きくさせて早口で喋る言葉を口汚くするとこうなるのか、なるほど。

ルックスの個性はある意味面白い。普通の人も善人も、悪人もOKだし「シンデレラマン」「クレイドル・ウィル・ロック」のクラシカルなスタイルも似合っていた。実力が備わっているのだからどんな役もイケるようだ。この人が出ていればこの映画は安心して観られるといえるタイプの俳優の一人みたい。この分だと年齢に関係なく末永く幅広い作品に起用され続けるでしょうね。おじいさんになってもずっとこの顔は見られるだろうと。つまり、私が死ぬまで映画を観ている間はずーっと♪

ヒュー・ダンシー2008年05月25日 19時36分56秒

エリザベス1世~愛と陰謀の王宮~(2005)
HUGH DANCY   1975/6/19 UK/イングランド

どうにも若手の英国俳優に弱いワタクシ。今回の登場はヒュー・ダンシー。「キング・アーサー」で見たときはそれほどでもなかったのだけど、ここにきて重ねて観た出演作で、いや、なかなかキュートでないのー。

「キング・アーサー」で、一番若手の円卓の騎士・ガラハッドを演じたダンシー。故郷を思う気持ちが一番強く、激しやすい好戦的な・・・ガキんちょみたい(笑)。作品としては悪名高い「キング・アーサー」だが、個性的なアンサンブルキャストが実に私の興味の対象となるところで、このブログでは名前が出やすいみたいだなー。でもダンシーを取り上げることになるとは思ってなかったんだけど。

次に観たのが「スリーピング・ディクショナリー」。英国の行政官であるダンシーが赴任したボルネオであてがわれた現地妻がジェシカ・アルバ(はて?)。アルバの人気のお陰で公開になったかと思われる、内容的には歴史物にしてもラブストーリーにしてもちゃんちゃらおかしくて辟易するんだけどー。ただ、青二才の若者英国人行政官っつーのが、非常にらしいというか、印象は悪くなかったのよね。いま思えばダンシーらしいキャラクターだったのかと。

「ブラックホーク・ダウン」ではこれまたアンサンブルキャストの一人に起用された。戦場のさなかに足に致命傷を受けた兵士の手術を敢行。逞しくも悲しい衛生兵のシュミッド役。実は汚れまくった顔でなかなか確認できなかったんだけど、観ればああそうだったと思うタイプの一人(笑)。また再見時に確認しよう。

そんな彼をあらためて見直した最初はTVMの「エリザベス1世~愛と陰謀の王宮~」だった。ヘレン・ミレンがタイトルロールを演じた本作で、ダンシーが演じたのは、ミレンの寵愛を一身に受けたエセックス伯。このエセックス伯がとんだおばかさんで・・・。バカな子ほど可愛いのか(ちょっと違う)、エリザベスは彼にメロメロの大甘。彼女が長年愛したレスター伯の義理の息子。レスター伯はジェレミー・アイアンズだったのだけど・・・次に、なにを血迷ってこんな若造を?
おばかさんで傍若無人な態度のこの若造がまたなぜだか魅力的ではあるんだな。ダンシーのなせる技か~。ダンシーはこれでエミー賞にノミネートされている。

新作「ジェイン・オースティンの読書会」で、思いがけなく彼を見ることになり驚いた。読書会のメンバーはキャシー・ベイカー、マリア・ベロ、エイミー・ブレナマンなんてメンバーの中にただ一人て参加した男性がダンシー。また何故彼がジェイン・オースティン?という感じの異質なところがまたこの作品のポイントでもあるわけだけど、やっぱり年嵩が上の女性たちに囲まれた彼は期待を裏切らないキャラクターであった。とてもキュートな印象を残す。こういうところにダンシーを起用した監督は彼の魅力を良くわかってる。
ダンシーは相当の読書家でインテリなんだそうでオースティンも一応はこなしていたであろうと。撮影中も女優陣に囲まれた中で黙々と読書している姿が微笑ましかったらしい(笑)。

その後に出演していたのを知って観たのが「ルワンダの涙」。「ラストキング・オブ・スコットランド」のジェームズ・マカヴォイみたいなキャラクター。民兵に銃を突きつけられて恐怖に怯えて震える迫真のシーンは恐怖が伝わってきた。自分の命と良心の間に挟まれた人間の心の揺れや弱さが痛々しかった。

これから公開が控えているのが「美しすぎる母」。ジュリアン・ムーア主演の事実に基づいたややスキャンダラスな作品らしい。またどんな役なのか気になるところだがー。

基本的に善良そうな世間知らずの青二才っぽいというか。ルックスもハンサム~ってんでもないし、どこか地味で特出したところがない。
画像を見ていてふと思った。ルックスといいキャラクターといい、どことなくクリス・オドネルに似ているかも。いつもってんじゃないけど、作品のキャラクターやシーンによってキュートな瞬間がある。
このキュートさに惹かれて出演作を追う気になったんだけど、しまったー!わかっていたら「いつか眠りにつく前に」も観に行ったのにー。またもや女性映画の中で彼はどんなだったのかな~と。

彼自身、自分の魅力をどう捉えているのか知らないが、ちょっと作品選びにバラつきがないか?作品によっては演技の見せ所もあるのに、なんだってこんなのに?ってんでびっくりしたのが「氷の微笑2」。これってでびしゅーも出ているんだけど、それにしてもダンシーの役はあまりにも・・・。彼が選んだのかエージェントのせいなのかー。2001年の映画デビューだからまだまだこれからの俳優人生。30代のいい男盛り。やりがいのある役は山ほどあるはず。もっと魅力的な顔がこれから見られるはず。絶対にね!

パトリック・デンプシー2008年03月20日 06時15分59秒

メラニーは行く!(2002)
(左)PATRICK DEMPSY  1966/1/3  USA

3年ほど前に米国で“もっともセクシーな男”の1位になったデンプシー。80年代からキャリアのある彼のことは知ってはいたけど、そんなにセクシーとも思ったこともない。むしろ地味だし、その時で40歳に近く、はて、なんで?と思ったのだが、その年、米国でスタートしたTVドラマ「グレイズ・アナトミー」で大ブレイクだったというわけだ。

そう、80年代の青春映画やコメディでちらちらと見ていた。クリスチャン・スレイターやキーファー・サザーランドと同じブラット・パック世代なんだけど、なぜか彼は一緒に名前が出ることはあまりなく、80年代独特の軽さのあるコメディ作品中心に独自の路線を行っていた感がある。最近は見かけないなと思っていたら、やっぱり彼もTVに行っていたのか。キーファー、ロブ・ロウ、チャーリー・シーン、アンソニー・マイケル・ホールと、80年代に若手俳優だった彼らはTVで生き残るタイプが多いみたいだねぇ。

一番古い記憶のデンプシーはというと、「ダルク家の三姉妹」でジェニファー・コネリーをはじめとする3人の女たちに翻弄されるふにゃふにゃ男(笑)。
ルックスは悪くない。でもとびきりカッコいい!っていうんでもなく、やわらかい印象のいわゆる優男。人が良さそうで確かにTV向きの好感度高そうなタイプかも。マシュー・モディンと似た感じかな。つまり、私の注目するタイプだな(笑)。
といいつつ、次にちゃんと憶えているのは「ヒューゴ・プール」で、これもとっても優しいいい人。ちょっと変わった感じの映画だったので憶えている。

・・・実は、デンプシーは知っていながらも、見ていながら気がつかないでいたことが多く、再見で、あっ、ここにも出てたんだー、なんてことが多かった。それだけ地味なんだよねぇ。
「モブスターズ」でスレイターの仲間のギャングの一人だったのには驚いた。確かにデンプシーだった。しかしながらとてもギャングには見えん。ルックスが柔和過ぎて違和感ありあり。なんて初見当時は全然気がつかなかったんだけどね。
「きっと忘れない」でのデンプシーはブレンダン・フレイザーの学生仲間なんだけど、ちょっとワイルド系。これまた似合わん!作品自体はとっても良い、良質な90年代の青春映画。
「アウトブレイク」で、あの出血熱の最初の被害者が彼だったのには結構びっくりした。こんなメジャー映画にも出ていたんだー。
そういえば「スクリーム3」なんてものもあったっけ。なんだか情けない刑事だったが、彼らしいといえばらしいかも。
「スクリーム3」は、今、書いてて思い出したけど、見ていてもどんな役だったか思い出せないのもある。「愛のトリートメント」「クライム・タイム」なんてどこに出てたっけな~。好きなタイプには違いないんだけど、それだけ印象が薄いってことかね?

そんな彼を久々に見て、これはカッコいい!と思ったのが「メラニーは行く!」。
リース・ウィザースプーンの婚約者にしてNY市長の一人息子。リース演じるメラニーはそんなデンプシーと、アウトローな田舎者のジョッシュ・ルーカスの間で揺れる。
ハンサムで聡明で性格も良くて名声もある。そんな王子様みたいな役が嵌る人だったのねー。30代後半からは、育ちが良く、頭もいい、着実なキャリアの持ち主で誠実で優しい。そういう役が続々。優男が年齢とともに成長し、キャリアを身につけた大人の男の魅力を増してきた。なるほど納得。

出演シーンは少ないけど「卒業の朝」の、今じゃエリートの名門校の卒業生。「フリーダム・ライターズ」の実直な夫。主演級じゃない時の彼は傍役の昔の雰囲気そのまま。下手するとこれも忘れそう。

最新作は「魔法にかけられて」。このデンプシーがまた魅力大爆発。作品は“これはディズニーだから!”って思わないと観てられない部分もあるが、デンプシーらしさがよく出ている1本だと思う。ある意味、とうとう王子様役を演ってしまったか!って感じ。
職業は弁護士。妻には逃げられたが可愛い娘の父親で、NYにそれなりにでかいアパート。「メラニー」の時も「卒業の朝」の時も思ったけど、ぴしっとした上等なスーツ姿が似合う。カッコいいビジネスマンっぽいんだ。娘には優しい父親で、優男なんだけど生き方に関しては堅い感じもする。「魔法にかけられて」ではおとぎ話のお姫様にその堅さをほぐされていくという、まさにおとぎ話。舞踏会のシーンでは本当に王子様の衣装を着て、あまりの違和感のなさに思わず笑ってしまった。

さて、№1のセクシー男になった「グレイズ・アナトミー」は1年遅れで日本にもお目見え。今度は優秀な脳外科医。キャリアがあって、しかもハンサム。絵に描いたような理想の男?ファーストシーンから一夜明けの裸姿。セカンドシーンはそのお相手のヒロインの上司として登場。白衣がさまになっていて立ち姿がカッコいい。派手目のバンダナをした術着姿といい、なるほどアメリカ人は好きそうだー。

これがきっかけで映画にも少しずつ戻ってきたデンプシー。今後もメジャー作品でお目にかかることが増えるかも。
40歳過ぎてからブレイクした彼。私とそう歳が違わないのね。歳をとると役が減って苦労する女優と違って、年齢を重ねて魅力を増す俳優っていいやねぇ。
役者に限らず一般人でも同じこと。魅力ある大人の男性ってほんとに素敵。女は男以上に努力が必要だけれど、私も頑張ってできるだけ魅力ある大人の女になりたいわん♪

ベン・フォスター2008年02月24日 21時37分33秒

X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)
BEN FOSTER   1980/10/29  USA

ちょっといっちゃてる系のキャラが妙にはまる、私には期待の若手の一人、べン・フォスター。
そこそこメジャー作品からインディペンデント作品まで出演の幅が広いので見たことがある人は多いと思うが、やっぱり一番目立ったのは「X-MEN:ファイナル ディシジョン」のエンジェルでしょうな。

もう20代半ばも過ぎてるんだけどこの童顔。はじめて見たのは「リバティ・ハイツ」。99年の作品だがこれが映画デビューか?しかも主演。エイドリアン・ブロディらと共演のなかなかのヒューマンドラマというか青春ドラマというか、いい作品だった。この時16歳くらいだと思うが、今もそんなに顔が変わらない。
まん丸な瞳は澄んでいてちょっと儚げでもある。ここが彼の面白いところ。
キャリアは長く子役経験もあり、早くからプロを目指していた結構本格派。子役といって思い出すのは「ビッグ・トラブル」でのティム・アレンの息子役。バリバリのコメディだが、じたばたする父親のアレンを冷めた目で見ているのが彼らしい(笑)。この時、この子は化けるかもしれんと微かに思っていた。

ら、次に目にしたのは「パニッシャー」。体中ピアスだらけのパンク小僧。だけど仲間になったトム・ジェーンを庇ってジョン・トラボルタの拷問を受ける。なんと顔中のピアスを引きちぎられるっちゅう見るに耐えないシーンで私は絶叫~!
次がまた「ホステージ」で見せた立てこもり犯の怪演!情けない犯人ではあるが、彼のキレぶりは凄い。見た目も最初の頃に見たあどけない少年はどこに?髪型の変化も大きいが印象がとにかくがらりと変わるから驚きだ。

で、究極は先にも挙げた「X-MEN:ファイナル ディシジョン」のエンジェル。上半身裸のまっちろい肌にでかい翼。ミュータントであることに苦悩するも、自分の翼で飛び立つ姿は、出番は少ないが印象深い。

メジャー作品で結構目立つ役が続いたが、そんな作品ばかりでもない。「サラ、いつわりの祈り」「ララミー・プロジェクト」なんて話題の小品があったりして、作品選びが面白い。
歳なりに青春ものもあったようで「恋人にしてはいけない男の愛し方」なんてとんでもない邦題のラブコメディでは、なんとキルステン・ダンストの相手役だった。ごくごく普通のルックスでちょっと安心。「フォーン・ブース」でちらりと見せた姿もまともだったし。
でもサスペンスっぽい「11:14」の彼はまた・・・。

素の時のあどけない童顔は、作品ごとに印象が自在に変わる。これは将来カメレオン俳優の道を行ける面白い逸材と見た。今後が非常に楽しみである。

ハンク・アザリア2007年12月02日 00時36分02秒

ミステリー・メン(1999)
HANK AZARIA   1964/4/25  USA

映画ファンにはかなりの馴染みの顔なんだけど彼もマイナー俳優なんだろうなあ。黙っていればそこそこのハンサムなのに基本がスタンダップコメディアンを目指していたというだけあってそのキャラクターは多彩。切れ者のビジネスマンかと思えば小者のチンピラ。強烈なオカマちゃんにマッチョマン、それも半端じゃないなりきり度。見た目だけじゃなくてへんてこりんなアクセント使いが達者で役柄の国籍も変幻自在なところが彼の面白いところ。
その声は「シンプソンズ」で何役ものキャラを使い分けてエミー賞を受賞したんだとか。役者だわ~。

なんて褒めちぎってるわりに、実はフィルモグラフィを見て思い出せないのが結構あるのは何故だ?(笑)
98年の「GODZILLA」「大いなる遺産」なんかがそれなんだけど、さらにびっくりしたのは「プリティ・ウーマン」に出てたらしい。これは認識以前の出演作のよう。再見して確かめないとっ!

最初に見たのは「バードケージ」。これが完璧なオカマちゃんの役。タンクトップにぴちぴちのショートパンツ。お尻ふりふり、くねくねした歩き方。後で違う作品の彼と同じ人と気がつくのに時間が要りました。大真面目な「クレイドル・ウィル・ロック」「クイズ・ショウ」のスーツ姿の彼とは思えなんだ。
コメディが得意なんだと気がついたのは「ポイント・ブランク」やその後、「ミステリー・メン」のコスプレヒーローのフォーク投げがあまりにはまっていたのと、「アメリカン・スウィートハート」でいんちきラテン系マッチョマンをおっかしなアクセントで演じていたからかな~。この人は面白いと改めて思ったのだ。
「ポリー my love」「ドッジボール」と繋がったのはベン・スティラーといい関係なんでしょうな。こてこてのコメディの中にちょっとハンサムだけどなんだか可笑しい。これがアザリアのいいところ。スティラーもこのキャラに惹かれたんだろうと勝手に推測。

そのルックスでヒューマンドラマやハートウォーミングなところも勿論イケるが、私が好きなのは「ミステリー、アラスカ」。ラッセル・クロウのブレイク直前の主演作スポ根ドラマ。クロウが率いるアラスカの地元チームにNFLのチームの試合の話を持ってくる都会に出て行った同級生のアザリア。いまいちだった子供時代を払拭させたくて地元に錦を飾るつもりなんだけど、これまたいまいち・・・。拗ねて暴れる小者ぶりがリアルに情けなくて哀れで、でも可笑しい。(笑)
もう一本、「モリー先生との火曜日」はジャック・レモンのモリー先生と教え子のアザリアたちの交流を描く心温まるストーリー。TVMながら秀作だ。これがジャック・レモンの遺作なのかな?ステキな作品で共演できてよかったね♪

シリアスで真面目な演技が見られるのは「FAIL SAFE 未知への飛行」や「ニュースの天才」。特に後者は信頼の置ける上司といった役どころ。大きな役ではないけど微妙なストーリーの中で好人物をそつなくこなすのはやはり演技者ならではかと。

しかしその後は映画で見かけなくなったなと思っていたら、また彼もTVに活躍の場を移していた。「HUFF」という主演のシリーズが大人気で、他にもいくつかヒット番組があるようだ。私がTVではじめて彼を見たのは人気シリーズ「フレンズ」のサブキャラ。奇天烈なフィービーの元カレだけあって彼も変な奴で面白い。プロポーズしたもののポール・ラッドに横取りされて可哀相なんだけど、でもやっぱり可笑しいんだな、これがっ。

彼のことはずーっと取り上げたいと思っていたんだけど、このところ映画で見られないのできっかけがなかった。最近、ずっと観たかった旧作を観られてようやくUPにこぎつけた。「ワイルド・スモーカーズ」がそれ。クライムサスペンスのような半分ドラマのような、出来としては面白いような微妙なようなってとこだけど、ビリー・ボブ・ソーントン、ライアン・フィリップとつるんで麻薬の取引をする。このアザリアがヒッピーみたいなルックスでいまいち思い切りの悪い小者のチンピラ。笑っちゃうのが麻薬の栽培にかけては腕が立つというこれまた変なキャラ。それだけでも満足なのであった~。(笑)

私生活ではヘレン・ハントとの結婚歴あり。似合ってたのにねえ。ま、余計なお世話だわな。でもなんだか人当たりの良さそうな笑顔で仲間と映っている写真もたくさんある辺り、役者のいい仲間たちがたくさんいそう。活躍の場は絶えずあるようだ。でもやっぱり映画でその姿を、十八番の可笑しなキャラを見たいねえ。彼もまた長年の活躍を期待する俳優の一人なのだ。