ヴィンセント・カーシーザー2005年10月29日 14時03分48秒

クライム・アンド・パニッシュメント(2000)
VINCENT KARTHIESER  1979/5/5 USA

シェーン・ウェストにはまった流れで注目した少年タイプの俳優。カーシーザーも米国のアイドル雑誌に毎号登場のバリバリのアイドルだった。彼は子役出身でキャリアも長く早くから人気があったせいか中でも頭ひとつ抜き出た存在だったようだ。
真っ白な肌に女の子のような唇は中性の魅力といおうか、かっこいいというよりかわいいタイプ。そこまでのアイドルは他にもいるが彼には更に、怪しい色気があるのだ。
少年期の最後ハイティーンの時期に「アナザー・デイ・イン・パラダイス」に出演。その後に「クライム・アンド・パニッシュメント」と、陰りや暗さ、秘めた寂しさを感じさせるキャラクターを演じて見せて絶賛されたらしい。

そして「沈黙の行方」で見せたカーシーザーに私はかなり惹かれたのだ!
まず作品としてドラマ性の高いよくできたサスペンスでこの展開には結構衝撃を受けた。アンディ・ガルシアが主演で、彼の出るサスペンスには佳作が多いと思っているのだが近作は特に秀逸。
ガルシアも勿論良かったが、彼の演じる精神分析医の患者であるカーシーザーの繊細な演技がほんとにいい。トラウマを持つ少年の不安定さがビシバシ伝わってくる。彼の怒りや哀しみが爆発するときの凄まじさには圧倒される。だから“沈黙”が破られたときの衝撃がハンパじゃなかった。
この作品、脚本も演出も満足度が高いしガルシアとカーシーザーの演技がとにかく良いのでお薦めだ。

ティーンエイジムービー時代はキルステン・ダンストやレイチェル・リー・クックなどと共演し、かわいい男の子の印象がかなり強く残っているのは確かだ。大人の俳優へ脱皮中なんだと思われる。
現在は20代も半ば。まだまだ見た目が少年っぽいので作品選びも悩むところか?
「沈黙の行方」が2001年作品。そろそろ次が観たいのだけど。無理に大人ぶらないで少年っぽさのある役でその個性を巧く発揮しても良いと思う。20代なんてなんでもできちゃいそうな今、もったいない使い方をしてないでその姿をスクリーンで見せてくれ!

初出:2005/5/13(金) 午後 11:40