ティモシー・ハットン2005年08月18日 21時33分53秒

ビューティフル・ガールズ(1995)
TIMOTHY HUTTON  1960/8/16 USA

「ビューティフル・ガールズ」で最初に見た時、群像劇っぽく同級生の仲間たちの中でひとり知的で都会的な魅力を放っていた。びしっとスーツ姿で正義感たっぷりに弁護士役なども似合う。ラブストーリーでもドラマでもバイオレンスでもこの人には知性を感じるスマートさが常にある。優しい男だったり冷酷な男だったり、果たしてどっちなのか?という微妙な役でも効果的にこの魅力が活きている。
19歳にして「普通の人々」でオスカーを獲ってしまったがそのわりにはフィルモグラフィが地味だ。バイオレンス系や社会派ドラマでダークな作品が目立つ。地味な作品の中でアクションは小さいのになんだか彼に惹きつけられる。微妙な心の揺れなどやはり演技力あってのものだろう。
最近はTVでの活躍が多くシリーズの「グルメ探偵ネロ・ウルフ」もスマートなハットンが軽妙さも加わってとってもチャーミング。製作にも参加しているようだが自分の魅力をよく心得ているよう。ハットンのもうひとつの魅力にピュアな雰囲気がある。「タップス」や「メイド・イン・ヘヴン」など若い頃の作品に顕著に見られる。年齢を経てもそんなに変わらない童顔だがあのピュアさを感じる役はもうやらないのかなぁ。でもやっぱり彼の性分なのだろう。初監督作の「ウィズ・ユー」はとっても優しい作品だった。
相変わらずTV、映画とも活動は地味だがハットンのファンは結構多いと思う。主人公の妻の不倫相手なんてどうでもいい役はやめて、この辺で1本素敵なハットンをスクリーンで見たいと思うのだがどうだろう?
初出:2005/4/2(土) 午後 0:54

レニー・ゼルウェガー2005年08月18日 22時13分06秒

ふたりの男とひとりの女(2000)
RENEE ZELLWEGER  1969/4/25 USA

ハリウッドの一線で頂点を走る勢いの存在になってしまったような彼女だが、「ザ・エージェント」でトム・クルーズの相手役に抜擢され彗星のごとく登場した当時は初々しくて瑞々しい昨今のハリウッドでは見ないタイプの女優だなと思っていた。当初はハリウッドに拠点を置かずに地元のヒューストンに住んで撮影の度に出てきていたのだという。彼女の持つピュアで素朴な雰囲気はガツガツしない流れに身を任せるような女性の役を自然体で演じていて非常に好印象だった。
その後の「草の上の月」「ライアー」「しあわせ色のルビー」など地味だけど少しずつ挑戦のしがいのある役を選んでいたように思うが、「ベティ・サイズモア」でコメディの才能に開眼。ジム・キャリーとの共演を経て「ブリジット・ジョーンズの日記」で大ブレイク。3年連続でオスカー候補のうえ3年目には助演女優賞を受賞。急激にキャリアを伸ばして今や押しも押されぬハリウッド女優なんだからすっかり別人になってしまった感がある。勿論それが悪いわけじゃない。「シカゴ」は彼女にとって入魂の1本だったろうしそれだけのことをしてきた結果なのだと思う。それでオスカーにノミネートされて最有力視されていたのだから逃したのはさぞかし悔しかったことだろう。
ただ私はあれが彼女の一番の魅力だとは思えないので。「シカゴ」のキャストが決まった時から何か違うんじゃないかなーと。演技力に疑問はないのでどうせなら主演賞でオスカーを獲るときはもっと彼女らしい作品でと思う。
初出:2005/4/3(日) 午前 8:36