ティモシー・オリファント2008年04月27日 09時46分36秒

恋は突然に。(2006)
TIMOTHY OLYPHANT  1968/5/20 USA

以前、“「ドリームキャッチャー」のメインキャスト”の一人として取り上げたんだけど、近年になって久しぶりにスクリーンで顔を見たのでピックアップしてみた。

多分、最初に彼を見たのはクリスティナ・リッチの「ピンク・モーテル」。ちょっとカッコいい全然普通の好青年。その程度の印象だったんだけど、「go」、「ブルドッグ」の小者チンピラ役のはまり具合が可笑しくて記憶に残る(笑)。
でもやっぱり強烈に印象付けたのは「ドリーム・キャッチャー」。ものを探す能力があったために可哀想な死に方をしてしまったピート役。みんなに可愛がられる雰囲気を持つ彼は最初に見た「ピンク・モーテル」に似たタイプ。役の悲劇性もあるからかもしれないけど、私はこのピート役の彼が一番好きなんだなあ。

さてその後、お目にかかる作品数はそんなに多くはないけど、出てると気になる俳優になった。レンタルの棚で彼の名前を見つけると手が伸びる。彼のファンの方のお陰で未見作品も観られたし(感謝!)。
「ブロークン・ハーツ・クラブ」ではゲイで結構びっくり。軽快だけど、どこか硬派な感じがしてゲイの匂いとは対極にいるイメージだったから。でも見てみるとかわいいかもね(笑)。
ゲイではないけどルックス的にまたびっくりだったのが「ロック・スター」。ウェイビーなロン毛!目がパッチリしていて顔立ちがはっきりしてるから似合うのね。初期のボン・ジョヴィやヴァン・ヘイレンを思わせるロッカーぶりがなかなか。ちょっと懐かしかったぞ。
マーク・ウォールバーグのバンド仲間であり親友の彼。衝突しながらも友情の厚さを感じさせるラストシーンが好き。ロックバンドを背景にした青春映画で作品的にも好みなんだけど、キャスティングも私にはかなり豪華で楽しいし、音楽も好きでサントラは愛聴盤。

「ピンク・モーテル」以来観たことがなかったラブストーリーを、最近DVDで見つけて小躍りしてしまった(笑)。劇場公開にはならなかったが、ジェニファー・ガーナー主演ってことでリリースされたと思われ、ファンにはラッキー♪
「恋は突然に。」って邦題は難だが、リリースされただけで善しとしよう。ガーナーを囲む男たちの中でも、ちょい毛色が違うアウトローなキャラクター。年齢的にちょっと渋さが加わって今までと違った雰囲気になったかも。こんなのもありなのかと、ちょっと感心。このまま役の幅が広がっていくといいんだけど。

「ガール・ネクスト・ドア」はチンピラ系の彼。相変わらず軽快な男だがそろそろ小者チンピラをやるには年齢が厳しいかも。眼光鋭くてギラギラはしてるんだけどこういう役には若さがないとダメな気がする。
このキレた系は、「go」などはまり役のチンピラから、「スクリーム2」の映画オタクのガキんちょなど、意外とタイプは様々。
「プライベート・ソルジャー」での砲撃の恐怖で精神的におかしくなってしまった兵士。彼のキレ演技はかなりリアル。戦場の兵士にはこんな人もいただろうと・・・。
ちなみにこの作品。全滅必至の作戦を強いられた前線の兵士たちを描いたジョン・アーヴィン監督のTVM作品で、戦争映画ファンの中でも戦場ドラマとして評価は高い。それだけに意味を成さないタイトルは不評の嵐。原題は「When Trumpets Fade」。

昨年公開のハリウッドメジャー大作「ダイ・ハード4.0」で、ブルース・ウィリス相手に敵役に回ったオリファント。あまりにメジャー作品過ぎて、予告でジャスティン・ロングと一緒に彼の姿を見た瞬間はのけぞった。この手の作品には縁がないものと思っていたからねぇ。
彼のキレ演技は犯人役には悪くないとは思うが、悲しいことにITを駆使した頭脳戦を展開する知的犯罪者には見えんのだな~。主犯にしては小ぶりだし、“ジョン・マクレーン”の相手にしては物足りないと言わざるを得ない。残念っ。

しかーし、またもや劇場で、しかも主演作「ヒットマン」でお目見えしたオリファントは一見の価値ありかと。ゲームが元ネタのアクションで、タイトルからもわかるように殺し屋のお話。オリファントは、ほんっとに驚いたことに主演なのだ。
生まれながらにして殺し屋として、兵器として、組織に育てられた男がその組織に裏切られて追われる立場になる。陰謀を暴くべく孤軍奮闘する殺し屋をスキンヘッド(!)で熱演。キレ演技を抑えて、眼光の鋭さを活かして落ち着いた雰囲気を維持したのは正解。年齢的にも今までのチンピラはもう続かないと思っていたので、これはいい展開ではないかと。
作品としてはそこそこ面白く観た。アクション映画にありがちなヒロインと必要以上のお色気シーンもなし。そこが作品の方向性が明確で好印象を持った。
そうは言っても作品の種類としてはB級扱いされてもおかしくない。よく日本で公開されたなと思う。しかもシネコンで公開というからさらにびっくり。

何度も言ってるが、彼のキュートな持ち味だが、チンピラ役には年齢的に限界がある。「恋は突然に。」や「ヒットマン」といった近年の作品で見せた新しい魅力にちょっと安心した。日本でも思っているよりファンはいるんじゃないかと思う。今後も期待してるからね~。