ジェームズ・マカヴォイ2008年05月11日 14時23分39秒

ペネロピ(2006)
JAMES MCAVOY  1979/4/21 UK/スコットランド

近年、めきめきと人気急上昇のマカヴォイ。私もまんまと引っかかってる一人だけどね(笑)。こんな魅力的な俳優が、なんで今まで埋もれていたんでしょう?英国俳優は奥が深いわぁ♪
彼を知ったのはご多分に漏れず「ナルニア国物語」のタムナスさん。半獣フォーンのキャラクターゆえ、その時は彼の魅力は未知のものだった。その後、何本もの作品を観るうちに、いやいやタムナスさんだって彼ならではの特徴が出ていたじゃないかと思える。自信なさげな上目遣いの眼差し。透きとおるような瞳はブルー?グレー?グリーン?
線の細い感じがどこか頼りない守ってあげたくなるキャラクターに似合う。

「ラストキング・オブ・スコットランド」で、フォレスト・ウィテカーの隣にいるひょろっとした青年がタムナスさんだと知って驚いた。人間というもっと身近に感じられる役で、彼の役者的魅力に初めて触れた。なんだか優柔不断で、誘惑にも弱い。長いものには巻かれろってな軟弱な青年役がリアル。
映像的に痛いシーンがあって直視できない場面もあったが、恐怖に怯える青年医師のマカヴォイにはなんとか生き延びて欲しいと思わずにいられなかった。そう思わせるのも彼ならではじゃないかな。

「ナルニア」が最初だと思っていたのだけど、実は「ウィンブルドン」で見ていたはずだったが、全然記憶になし。ポール・ベタニーのちゃりんこ乗りの弟だったとはね。その頃はベタニーとニコライ・コスター・ワルドウしか目に入ってなかったわ(笑)。再見して認識した。軽薄な男だなぁ。
もう1本、観ていたはずだけど全然気がつかなかったのが「バンド・オブ・ブラザーズ」。ジェームズ・ミラー一等兵って誰よ・・・。また再見して確かめないと~。

私が注目するに至ったのは「ペネロピ」のせい。もう、なんってキュートなのかしらん♪
呪いをかけられたクリスティナ・リッチに惹かれるワケあり青年のマカヴォイ。惹かれているのに、プロポーズされても断ってしまったのは彼の良心のため。階段の下から彼女を見上げる瞳の切なげなこと。だからこそラストの、がばちょ!なキスシーンが堪らんのだね(笑)。
これで一挙に評価が上がったわけで、次の「つぐない」への期待は否が応でも高まったわけである。

しかしながら「つぐない」はマカヴォイとキーラ・ナイトレーの切ないラブストーリーだけに非ず。主人公はナイトレーの妹で、彼女の心の成長と罪のお話。引き裂かれてしまった恋人たちのマカヴォイは、彼女の元に帰るべく戦場をひたすら歩く。傷を負い、ひょろっとして今にも崩折れそうな彼が痛ましい。ナイトレーと一緒の時よりも離れている時の方が彼らしい魅力に溢れていた。

少し前の作品になるTVMの「ダンシング・インサイド」は、小児麻痺の青年に自由に生きる勇気を与えてくれる筋ジストロフィーの青年役。主人公の小児麻痺の青年役のスティーヴン・ロバートソンとの友情も心に沁みる良い作品だった。
首から下が動かない、言葉と表情だけで自由を謳歌しようと主張するマカヴォイが生き生きして見えるんだから不思議!

いつになく自信たっぷりの横柄なキャラクターは新鮮。タイプキャストばかりが続く若手俳優じゃなさそうだぞと、認識を新たにした。確かな演技力を強烈に感じた1本でもある。障害者の役だからというのではなく、自由が利かないからこそ、力強く生きる人間の力、心の表現力に心底傾いた。マカヴォイに注目の方で未見であれば、是非ともご覧になっていただきたい。
もともと実力のある俳優なんだと思われる。今後のますますの活躍を期待したい。

のだけどー、新作がアンジェリーナ・ジョリーと共演ってのが何か気に食わない(笑)。
カップリングが気に入らないと作品そのものの評価も微妙になる私。「ラストキング・オブ・スコットランド」はケリー・ワシントン。「つぐない」はキーラ・ナイトレー。どっちも世評ほどぐっとこなかったのはこの相手役のキャスティングのせいだと思って間違いないー。
クリスティナ・リッチとの「ペネロピ」は完璧。今のところ今年のベスト作品の座にいるのだっ♪

コメント

_ しねまま ― 2008年09月21日 16時24分19秒

>いつになく自信たっぷりの横柄なキャラクターは新鮮。タイプキャストばかりが続く若手俳優じゃなさそうだぞと、認識を新たにした。確かな演技力を強烈に感じた1本でもある。障害者の役だからというのではなく、自由が利かないからこそ、力強く生きる人間の力、心の表現力に心底傾いた。

『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフ監督いわく「ダンシングインサイドのジェームズにも(ウォンテッドのウェスリーと)同じもの(ユーモアと自分に対する皮肉がある。それに自分を解放して人生を変える力・・・反抗する力も持っている)を見てとることができた。あれは素晴らしい物語だったよ。麻痺という障害がありながら、実は人としてとても魅力的で人生を謳歌している人間を描いているんだ」

引用が長くなりましたが、あらためてめかぶさんと監督の慧眼には恐れ入りました。だから普通のハリウッド的発想ではありえないマカヴォイのヒーローものが実現したのですね!

『ダンシング・インサイド』はDVD出てないんですよね?(涙) ぜひいつか見てみたいものです。『ペネロピ』「つぐない』のDVDも買います!9月はマカヴォイ月だ♪

_ めかぶ ― 2008年09月23日 11時52分55秒

しねままさん♪

『ダンシング・インサイド』はCSで観たんです。
しねままさんには観て欲しいですわ、ほんと。
監督はこれを観てたのか。
小さなドラマでもいい仕事をしていれば、
次のいい作品に繋がるのですよね。

_ tabou ― 2009年04月19日 18時24分16秒

ご無沙汰してましたです。
ここ数日でぐ~と彼に注目し始めた自分。
そうだ!と思い出しお邪魔してみました。
自分も最初の出合いが「ウィンブルドン」でした。でも、同じように印象がなくて。(^^ゞ
見直して、思い出したです。「あ~困った弟だった!」

めかぶさんがお奨めしていた「ペネロピ」を最近やっと観賞して、彼に注目した次第です。

「ダンシング・インサイド」
是非とも探して見てみたいと思います。

_ めかぶ ― 2009年04月29日 17時47分09秒

tabouさん、ども♪

マカヴォイはまだノーチェックでしたか?あら意外(笑)
「ダンシング・インサイド」 は機会があれば是非。

今年に入って、私はケヴィン・マクキッドとマティアス・ケーベルリンに着目しましたよん♪

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