ジョン・キューザック ― 2008年05月18日 17時21分31秒

JOHN CUSACK 1966/6/28 USA
最新作で見たキューザックに、昔から彼に馴染みのある人ならば少なからずとも衝撃を受けたはずだ。私とそう歳が違わないんだけど、80年代からゆでたまごみたいにツルンとして、いつまでも歳をとらないようなイメージでいたのだが、その新作で見た彼は、メタボな中年っちゅうか・・・。ショックだなあ。
もういつ見たのが最初だかなんてわからない。たぶんに多くのジョン・ヒューズ作品でちょこちょこ見かけたのが最初だろう。「すてきな片想い 」「ブレックファスト・クラブ 」「 ときめきサイエンス 」「フェリスはある朝突然に 」「大災難P.T.A」「結婚の条件」と、そのほとんどに、しかも姉のジョーンとともに出演している。ジョン・ヒューズ組の一員として、彼とは親しいようでチョイ役でも嬉々として演じているように見える。この二人を探すのもジョン・ヒューズ作品を観る楽しみの一つ(笑)。
ジョン・ヒューズ作品に限らず、キューザックは80年代の青春映画の常連。「セイ・エニシング」「シュア・シング」「恋のスクランブル」「ワン・クレイジー・サマー」、そして「スタンド・バイ・ミー」。80年代はキラキラした明るく甘酸っぱくそして切ない青春映画がたくさんあったが、その時代に欠かせない若手俳優だった。ロブ・ロウやマット・ディロンのように主役級の二枚目とは言い切れずこれといって特徴もない、クラスメイトにいそうなタイプというか。主役でもそのスタンスは変わらず、普通の男の子ならではのキャラクター。それがいいんだなあ。
思うに彼の代表作って何だろう?これといった決定打は思い浮かばない。だけど、青春映画時代を過ぎて90年代には社会派ドラマからコメディ、サスペンスとジャンルを問わず幅広い作品で活躍。どんな作品でも彼らしさはそのままに、その作品の中にいつもしっくり溶け込んでいる。たとえ主演であっても、俺が俺が!ってタイプじゃなく、存在感がうるさくない。薄いんじゃないよ。うるさくないのだ。
主演のような助演のような役が多いのかな?「訣別の街」はアル・パチーノ、「真夜中のサバナ」はケヴィン・スペイシー、「トゥルー・カラーズ」はジェームズ・スペイダー、「マルコヴィッチの穴」はジョン・マルコヴィッチとキャメロン・ディアス、「狂っちゃいないぜ」はビリー・ボブ・ソーントン・・・。挙げていくとキリがない(笑)。
でも決して彼らに負けているわけじゃないんだな。キューザックはキューザックなんだもの。
そんなわけで作品のタイプは様々だが、私は80年代の雰囲気やキャラクターがそのまま大人になったようなキャラクターの彼に惹かれるのかなー。
「ポイント・ブランク」のなんだか冴えない殺し屋。鬱々とした気分を抱えている「ハイ・フィデリティ」、おたおたばたばたしてる「ブロードウェイと銃弾」。これがまた、うろたえる場面が浮かびやすいってなんなんだろうね(笑)。
その傾向はロマンチックロールでも同じ。やっぱりじたばたしてる「アメリカン・スウィートハート」、なんだか優柔不断な「セレンディピティ」、カッコよくいかない「理想の恋人.com」。
でも、そこがいいのかな♪
基本的にあたりの柔らかい優しそうなルックス。普通の人はいつもそんなにカッコよくきめてるわけじゃない。悩んで迷ってじたばたおたおたするのが常なのだ。だからそんな彼に親しみが持てるのかもしれないね。
しかしいつもそれでは俳優として代わり映えしない。優しそうだから、平凡そうだから、サスペンスで表情を変えず、冷たい態度をとってたりすると、真相が読めにくいかもしれない。何か怪しいけどどうなんだろう?って。「“アイデンティティー”」はアンサンブルキャストだったけど、彼をはじめキャラクターが多彩で展開も読みにくくてサスペンスとして面白かったな。あまりそういうタイプの作品では見られないキューザックの一面が見られたのも嬉しかった。
サスペンスは彼の場合、「アイス・ハーヴェスト」みたいに途中からコメディっぽくなったりして、ほんとにストーリー展開が読めないってこともあるのはご愛嬌(笑)。
こういってるとコメディ俳優みたいに思われると困るので、真面目な作品もあることを挙げておこう。「シン・レッド・ライン」「クレイドル・ウィル・ロック」「エイトメン・アウト」「心の地図」「アドルフの画集」「シャドー・メーカーズ」などなど。実在の人物、史実に基づいた題材を扱ったものなども多く、本人も基本的にインテリなんじゃないかと思う。筋金入りのリベラルなんだそうだ。
古い作品になるが、あまり知られていない「シャドー・メーカーズ」のキューザックはかなり衝撃的だった。これは本人確固たる意思がなければ出来ない役だと思いましたわ。未見であれば是非。
そして、新作の「さよなら。いつかわかること」。非常に微妙なテーマの作品なんだけどもね。
青春映画の爽やかさは面影を潜め、二人の娘を持ち、ホームセンターで働くややメタボな中年男のキューザック。これは作品のタイプを考えて意図したものなのだろうか。そのルックスはとにかく驚いた。
感想はそれぞれだと思うのだけど、彼の作品に対する姿勢も含めて、長く彼を見てきた方にはぜひとも観て頂きたい作品ではある。
80年代からブランクもなく長くコンスタントにキャリアを重ねてきたキューザック。自ら脚本を手がけたり、劇団を主催し演出することもあるそうだ。
1年に1本は新作で顔を見られる感覚だし、どの作品も「あー、キューザックだな~」と安心して見ていられた。だけど特に注目して追いかけることはなかったのだけども・・・、「さよなら。いつかわかること」を観て、40代に突入した彼の今後の作品に興味を覚えた。
いつものおたおたするキャラクターも好きなんだけど、ちょっと俳優として別の見方が出来る作品が増えてくるのかなと思った次第である。
最新作で見たキューザックに、昔から彼に馴染みのある人ならば少なからずとも衝撃を受けたはずだ。私とそう歳が違わないんだけど、80年代からゆでたまごみたいにツルンとして、いつまでも歳をとらないようなイメージでいたのだが、その新作で見た彼は、メタボな中年っちゅうか・・・。ショックだなあ。
もういつ見たのが最初だかなんてわからない。たぶんに多くのジョン・ヒューズ作品でちょこちょこ見かけたのが最初だろう。「すてきな片想い 」「ブレックファスト・クラブ 」「 ときめきサイエンス 」「フェリスはある朝突然に 」「大災難P.T.A」「結婚の条件」と、そのほとんどに、しかも姉のジョーンとともに出演している。ジョン・ヒューズ組の一員として、彼とは親しいようでチョイ役でも嬉々として演じているように見える。この二人を探すのもジョン・ヒューズ作品を観る楽しみの一つ(笑)。
ジョン・ヒューズ作品に限らず、キューザックは80年代の青春映画の常連。「セイ・エニシング」「シュア・シング」「恋のスクランブル」「ワン・クレイジー・サマー」、そして「スタンド・バイ・ミー」。80年代はキラキラした明るく甘酸っぱくそして切ない青春映画がたくさんあったが、その時代に欠かせない若手俳優だった。ロブ・ロウやマット・ディロンのように主役級の二枚目とは言い切れずこれといって特徴もない、クラスメイトにいそうなタイプというか。主役でもそのスタンスは変わらず、普通の男の子ならではのキャラクター。それがいいんだなあ。
思うに彼の代表作って何だろう?これといった決定打は思い浮かばない。だけど、青春映画時代を過ぎて90年代には社会派ドラマからコメディ、サスペンスとジャンルを問わず幅広い作品で活躍。どんな作品でも彼らしさはそのままに、その作品の中にいつもしっくり溶け込んでいる。たとえ主演であっても、俺が俺が!ってタイプじゃなく、存在感がうるさくない。薄いんじゃないよ。うるさくないのだ。
主演のような助演のような役が多いのかな?「訣別の街」はアル・パチーノ、「真夜中のサバナ」はケヴィン・スペイシー、「トゥルー・カラーズ」はジェームズ・スペイダー、「マルコヴィッチの穴」はジョン・マルコヴィッチとキャメロン・ディアス、「狂っちゃいないぜ」はビリー・ボブ・ソーントン・・・。挙げていくとキリがない(笑)。
でも決して彼らに負けているわけじゃないんだな。キューザックはキューザックなんだもの。
そんなわけで作品のタイプは様々だが、私は80年代の雰囲気やキャラクターがそのまま大人になったようなキャラクターの彼に惹かれるのかなー。
「ポイント・ブランク」のなんだか冴えない殺し屋。鬱々とした気分を抱えている「ハイ・フィデリティ」、おたおたばたばたしてる「ブロードウェイと銃弾」。これがまた、うろたえる場面が浮かびやすいってなんなんだろうね(笑)。
その傾向はロマンチックロールでも同じ。やっぱりじたばたしてる「アメリカン・スウィートハート」、なんだか優柔不断な「セレンディピティ」、カッコよくいかない「理想の恋人.com」。
でも、そこがいいのかな♪
基本的にあたりの柔らかい優しそうなルックス。普通の人はいつもそんなにカッコよくきめてるわけじゃない。悩んで迷ってじたばたおたおたするのが常なのだ。だからそんな彼に親しみが持てるのかもしれないね。
しかしいつもそれでは俳優として代わり映えしない。優しそうだから、平凡そうだから、サスペンスで表情を変えず、冷たい態度をとってたりすると、真相が読めにくいかもしれない。何か怪しいけどどうなんだろう?って。「“アイデンティティー”」はアンサンブルキャストだったけど、彼をはじめキャラクターが多彩で展開も読みにくくてサスペンスとして面白かったな。あまりそういうタイプの作品では見られないキューザックの一面が見られたのも嬉しかった。
サスペンスは彼の場合、「アイス・ハーヴェスト」みたいに途中からコメディっぽくなったりして、ほんとにストーリー展開が読めないってこともあるのはご愛嬌(笑)。
こういってるとコメディ俳優みたいに思われると困るので、真面目な作品もあることを挙げておこう。「シン・レッド・ライン」「クレイドル・ウィル・ロック」「エイトメン・アウト」「心の地図」「アドルフの画集」「シャドー・メーカーズ」などなど。実在の人物、史実に基づいた題材を扱ったものなども多く、本人も基本的にインテリなんじゃないかと思う。筋金入りのリベラルなんだそうだ。
古い作品になるが、あまり知られていない「シャドー・メーカーズ」のキューザックはかなり衝撃的だった。これは本人確固たる意思がなければ出来ない役だと思いましたわ。未見であれば是非。
そして、新作の「さよなら。いつかわかること」。非常に微妙なテーマの作品なんだけどもね。
青春映画の爽やかさは面影を潜め、二人の娘を持ち、ホームセンターで働くややメタボな中年男のキューザック。これは作品のタイプを考えて意図したものなのだろうか。そのルックスはとにかく驚いた。
感想はそれぞれだと思うのだけど、彼の作品に対する姿勢も含めて、長く彼を見てきた方にはぜひとも観て頂きたい作品ではある。
80年代からブランクもなく長くコンスタントにキャリアを重ねてきたキューザック。自ら脚本を手がけたり、劇団を主催し演出することもあるそうだ。
1年に1本は新作で顔を見られる感覚だし、どの作品も「あー、キューザックだな~」と安心して見ていられた。だけど特に注目して追いかけることはなかったのだけども・・・、「さよなら。いつかわかること」を観て、40代に突入した彼の今後の作品に興味を覚えた。
いつものおたおたするキャラクターも好きなんだけど、ちょっと俳優として別の見方が出来る作品が増えてくるのかなと思った次第である。
コメント
_ とらねこ ― 2008年06月01日 05時07分53秒
_ めかぶ ― 2008年06月01日 07時25分06秒
そうそう!『コン・エアー』の刑事を忘れてた!
あれもドタバタじたばたしていてキューザックらしくていいですよね(笑)。
『スタンド・バイ・ミー』は4人のうちの一人、ゴーディの亡くなったおにいちゃんで、回想シーンに出ていました。短いシーンでしかも1回だけだったと思います。私も再見して気がついたんですよ。次回は確認してみてね♪
あれもドタバタじたばたしていてキューザックらしくていいですよね(笑)。
『スタンド・バイ・ミー』は4人のうちの一人、ゴーディの亡くなったおにいちゃんで、回想シーンに出ていました。短いシーンでしかも1回だけだったと思います。私も再見して気がついたんですよ。次回は確認してみてね♪
_ とらねこ ― 2008年06月07日 12時13分16秒
きゃー言われて思い出しました!
そうそう、何度めかに見た時、部屋に飾ってあるニコの写真がジョン・キューザックじゃん!!とビックリしたのを思い出しました(って今頃!忘れてたやん!)
そうなんですよね、優しいお兄ちゃんでした。
ところで、『ハイ・フィデリティ』は、青春映画としても、忘れられない佳作だと自分は思ってたり。
『ロシアン・ドールズ』を見た時、「面白いけどこの程度だったら、『ハイ・フィデリティ』の方が、ずっと良く出来てるな」と思ったのを覚えています。
そうそう、何度めかに見た時、部屋に飾ってあるニコの写真がジョン・キューザックじゃん!!とビックリしたのを思い出しました(って今頃!忘れてたやん!)
そうなんですよね、優しいお兄ちゃんでした。
ところで、『ハイ・フィデリティ』は、青春映画としても、忘れられない佳作だと自分は思ってたり。
『ロシアン・ドールズ』を見た時、「面白いけどこの程度だったら、『ハイ・フィデリティ』の方が、ずっと良く出来てるな」と思ったのを覚えています。
_ めかぶ ― 2008年06月08日 09時56分52秒
でしょ、でしょ。
ほんとに優しいお兄ちゃん!って雰囲気は彼ならだなー、と。
『ハイ・フィデリティ』を賞賛する人はほんとに多いです。
そうだな、代表作に挙げるとしたらこれがいいかも。
『ロシアン・ドールズ』も大好きです♪
ほんとに優しいお兄ちゃん!って雰囲気は彼ならだなー、と。
『ハイ・フィデリティ』を賞賛する人はほんとに多いです。
そうだな、代表作に挙げるとしたらこれがいいかも。
『ロシアン・ドールズ』も大好きです♪
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://mekabu.asablo.jp/blog/2008/05/18/3523160/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
『セイ・エニシング』、『ハイ・フィデリティ』、『マルコヴィッチ~』辺りでしょうか?私は『ハイ・フィデリティ』が一番好きです!
あと自分的には、『コン・エアー』の彼もすごく好きでした。
『アイデンティティー』は本当主演なのに影薄いですよね~(爆)
しかも後から彼存在しないってことになるし、そんな意味でもw
『セレンディピティ』とか『アメリカン・スイートハート』とか、完全に女優に食われてしまって印象ゼロですw
と、ところで、『スタンド・バイ・ミー』は何処に居たんでしょうか?
大好きで何十回も見たのに・・・全く覚えていない。
読んでいて汗かきそうですわw