イーサン・ホーク2006年04月04日 20時59分00秒

アサルト13 要塞警察(2005)
ETHAN HAWKE  1970/11/7 USA

私が映画を観始めた頃から現在に至るまでコンスタンスに活動してくれている不動の人のひとり。今までに観てきた彼の出演作品数は19本。実際、子役から始まる彼の俳優人生はもう20年。多分30本以上はあるだろうな。
で、何ゆえに今頃の登場なのか?本日観た彼の19本目「アサルト13 要塞警察」での彼がもの凄く気に入ったからである。彼をほれぼれするほどかっこいいと思ったのは今回が初めてだった。(笑)

「エクスプロラーズ」「晩秋」の子役時代から顔は変わっていない。利発そうなハンサム、一見すると女の子っぽい線の細そうな容姿。変わらないまま成長してよかったね。
「生きてこそ」や「いまを生きる」などティーンネイジャーのアンサンブル共演作品から始まり、90年代のフラットパック世代俳優の仲間入りはもちろん「リアリティ・バイツ」があるから。容姿だけじゃなくて才能も覗える良質な作品に恵まれて彼の好調なキャリアが益々UPしていく。小品だが「真夜中の戦場」なんて地味だけど共演者も素晴らしくほんとにいいエージェントに巡り逢えたとしか思えない作品の数々。
で、決定的なのが「恋人までの距離」。この作品に出会えたのは彼の俳優人生の中でも運命だね。

90年代後半は大作に続々出演。すっかり“スター”だが、私が彼の作品としても演技としても一番だと思っているのが「ガタカ」。実はこれで一番印象に残っているのはジュード・ロウの方で彼の輝かしさに隠れてしまいそうではあるがこれはしょうがない。かなり複雑なキャラクターを演じたホークは賞賛に値する。これは演技力のない俳優だったらジュードだけが目立ってあそこまで面白くなかった可能性大。あそこまで堪えたのは絶対にホークならではだと思う。

2000年初頭、自分の企画や監督などもするようになってきたがこれはじつはあまり私の好みに合わなかった。容姿も30代突入後はちょっとおやじ臭くなってきた感じがあっていつ見てもいまいちの感が拭えなかったのだけど、ここ最近になってまた変化が。
「トレーニング・デイ」で新人の刑事役でデンゼル・ワシントンと渡り合い清潔で正義感を貫く姿勢を見せた演技が光っていた。今までのじじむささは何だったのか?と思うような好演。これは彼の持ち味ではないのか?やっとそこのところに気がついたのだろうか?
決して高潔な人物だけをやってろとは言わないが、基本的に汚れていても精神面は失われていない人物を演じるのがかなり得意なのではないかと思われる。そこにきて自分も脚本に参加した企画「恋人までの距離」の続編「ビフォア・サンセット」が大評判。小奇麗に成長した30代半ばの彼はかなり良い。
最近の「ロード・オブ・ウォー」そして今回の「アサルト13」も同系の良心を失っていない男で作品の中のキャラクターが彼によってとても活かされているのがわかる。
「アサルト13」はその最たる魅力爆発。決して欠点のない人物ではなくトラウマを抱えたキャラクターだが非常に魅力的なので、彼の演技としても作品としても文句なしの1本。非常に面白かった!

ここにきてまた良質の作品との巡り合わせが良いように思えるホーク。頭の良い人で脚本を見る目も鋭いようだ。自分の企画ともうまくかみ合うような脚本を選んで、これからも40代、50代と自分の魅力を存分に発揮していってもらいたい。

初出:2006/2/19(日) 午前 0:07

コメント

_ NANCY ― 2009年04月18日 19時21分44秒

こんばんは。[アサルト13]は私も見ました。個人的には共演のローレンス・フィッシュバーンの巨体と存在感に圧倒され、イーサン・ホークは食われてしまったような気もします。敵役のガブリエル・バーンも気になる俳優の一人なので、ますますイーサンの印象が薄くなってしまいました。内容は非常に良かったのですが。フィリップ・シーモア・ホフマンと共演した[その土曜日、7時58分]の方が印象深い演技でした。離婚した妻に養育費が払えず、子供にも愛想をつかされ、お金に困っている所を実の兄から誘われた強盗計画にのってしまい、人生が狂っていく様子を苦悩たっぷりに演じていました。ホフマンの重厚な演技も見応えがありましたし。この映画は上映館が少なかったのですが、見に行って大正解でした!

_ めかぶ ― 2009年04月19日 13時57分17秒

NANCYさん、いつもご贔屓にありがとうございます♪

「その土曜日、7時58分」のイーサンは非常に彼らしいですね。清潔感ある役もまさに汚れ役もどちらもいける、そんな器用なタイプだとは思わなかったのですが、脚本・監督もやるし才能ある人なんだなぁと、近年認識を新たにしました。

ホフマンはあの冒頭にびっくり・・・。

_ NANCY ― 2009年04月22日 13時46分31秒

いつもお返事を有難うございます。休日にお邪魔させて頂くのが、最近の私のお楽しみになっています。 あのオープニングは私も驚きました!必要なシーンだとは思えないのですが。ホークとトメイのカップリングの方が良いような気も。ホフマンは好きですが、ちょっと見たくなかったかも。

_ めかぶ ― 2009年04月29日 17時58分43秒

NANCYさん、いつでも気になる記事があったらコメントしてくださいね♪

ホフマンの大胆○ックスシーンはほんとにびっくりだったのですが、マリサ・トメイとの夫婦関係を際立たせるために必要だったのかな~とも思ったのですがね。どうなんでしょ。
最近、「ダウト」で彼を見ましたが、メリル・ストリープとの演技合戦は激しいものがありましたよ。作品自体は私には微妙でしたけど(笑)

_ NANCY ― 2009年05月10日 18時12分26秒

こんにちは。私も[ダウト]を見ましたよ!あの緊迫した演技合戦は、本当に見応えがありました!怪しい役を演じさせたら、ホフマンの右に出る俳優はいないのではないかと思う程、見とれてしまいました!レアに近いステーキを食べながら、女性の話をするシーンが印象的で、聖職であるはずの神父らしからぬ行動に、この神父だったら、生徒に手を出しかねないと思いました。私はホフマン独特の怪しくて、危ない雰囲気が好きです。本当に魅力的な俳優です!

_ めかぶ ― 2009年05月31日 15時06分42秒

NANCYさん、こんにちは♪

「ダウト」を楽しまれたようでよかったですね。
実はですね「ダウト」は全部は観られてないんです。
体調もあったんですが、淡々とした流れに集中できなくて眠ってしまいましたの~。
メリル・ストリープとのシーンは見逃さなくてよかったですが。。。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mekabu.asablo.jp/blog/2006/04/04/315802/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。