デヴィッド・ストラザーン ― 2007年04月05日 10時29分51秒

DAVID STRATHAIRN 1949/1/26 USA
デニス・クエイドが快活で豪快なヒーロータイプなら、デヴィッド・ストラザーンはヒーローの脇で頭脳を働かせる沈着冷静なサポートタイプというべきか。大統領ではなく首席補佐官役が似合うようなタイプ。
彼も80年のデビューから堅実に出演作を重ねてきた、ハリウッドに欠かせない俳優の一人だと思う。
最初に彼を認識したのは「激流」でのメリル・ストリープの夫。ストリープが休暇に息子を連れて川下りを計画。ストラザーンは遅れてやってくる。仕事優先で家庭を顧みない彼は、息子からも反発されている。ケヴィン・ベーコン演じる凶悪犯と関わり、ストラザーンだけがストリープたちと引き離されるが、彼の活躍はそこから。なんだか頼りないし観ているこっちがハラハラしどおしだが、ギリギリのところで踏ん張る彼は家族を守る役目を果たしていく。まあ、結局いいとこはストリープに持ってかれてしまうんだけど、そこがストラザーンらしい。アクションをかっこよく決めるヒーロータイプじゃないのだ。
体躯も細身でおよそアクション向きでないのは一目瞭然。アクションらしいアクションは「激流」しか観たことがない。
アクション映画であっても、彼は主人公に電話で指令を出す側とか、一歩引いた立場の人物役が多いと思う。
「スニーカーズ」での彼はロバート・レッドフォードやリヴァー・フェニックスたちと一緒のハイテク・エキスパート集団の一員で盲目のオーディオの天才。彼の静かな佇まいがハラハラ、ドキドキのサスペンスの中でアクセントになっていて印象深い。体を使うより知能や他の能力を働かせるタイプかと。
その存在感はアクション映画に留まらない。若い兵士たちを複雑な思いで送り出す司令官だった「メンフィス・ベル」。子供たちを優しく見守る神父でストーリー上、重要な役目を負った「サイモン・バーチ」。真犯人と裏で繋がる組織の元締めで、自分で手は汚さない冷淡さが渋かった「L.A.コンフィデンシャル」。「ザ・ファーム」では主人公の兄役で、トム・クルーズ演じる主人公の性格を表現するのに一役買った。
「激流」のように、「奇跡の人」「黙秘」「マップ・オブ・ザ・ワールド」「戦場に消えたカメラマン」「ショコラーデ」など、ヒロインや重要な登場人物の夫役でもよく見られ、善人悪人の区別なく演じられるところも魅力。
でも、私としては一生懸命に生きている普通の善き人の方が彼には似合う気がする。一番好きなのは「パッション・フィッシュ」。故郷に帰ってきた生きる気力を失ったヒロインは地元民のストラザーンと出会う。心優しい素朴な彼は彼女に人生を再出発するきっかけを与えてくれる。取り立てて大きなことをするわけじゃないけど、彼のにじみ出るような優しい人柄が伝わってきて観ているこっちも癒されるようだった。
傍役でありながらストーリー展開に静かに一石を投じるような印象的な役どころが多く、地味だけどなんとなく彼の顔を思い出せる人は多いんじゃないかと思う。
その彼がいきなり「グッドナイト&グッドラック」で主演を果たす。ジョージ・クルーニーが監督したこの骨太な社会派作品で実在のジャーナリスト、エド・マローを正義感たっぷりに演じた。モノクロの画面に力強さを秘めた表情で、決め台詞の『グッドナイト&グッドラック』。あの重厚感は彼の長い経験が培った重さそのもの。
今後も渋い役どころで、作品にアクセントをくれるストラザーンに期待する。
デニス・クエイドが快活で豪快なヒーロータイプなら、デヴィッド・ストラザーンはヒーローの脇で頭脳を働かせる沈着冷静なサポートタイプというべきか。大統領ではなく首席補佐官役が似合うようなタイプ。
彼も80年のデビューから堅実に出演作を重ねてきた、ハリウッドに欠かせない俳優の一人だと思う。
最初に彼を認識したのは「激流」でのメリル・ストリープの夫。ストリープが休暇に息子を連れて川下りを計画。ストラザーンは遅れてやってくる。仕事優先で家庭を顧みない彼は、息子からも反発されている。ケヴィン・ベーコン演じる凶悪犯と関わり、ストラザーンだけがストリープたちと引き離されるが、彼の活躍はそこから。なんだか頼りないし観ているこっちがハラハラしどおしだが、ギリギリのところで踏ん張る彼は家族を守る役目を果たしていく。まあ、結局いいとこはストリープに持ってかれてしまうんだけど、そこがストラザーンらしい。アクションをかっこよく決めるヒーロータイプじゃないのだ。
体躯も細身でおよそアクション向きでないのは一目瞭然。アクションらしいアクションは「激流」しか観たことがない。
アクション映画であっても、彼は主人公に電話で指令を出す側とか、一歩引いた立場の人物役が多いと思う。
「スニーカーズ」での彼はロバート・レッドフォードやリヴァー・フェニックスたちと一緒のハイテク・エキスパート集団の一員で盲目のオーディオの天才。彼の静かな佇まいがハラハラ、ドキドキのサスペンスの中でアクセントになっていて印象深い。体を使うより知能や他の能力を働かせるタイプかと。
その存在感はアクション映画に留まらない。若い兵士たちを複雑な思いで送り出す司令官だった「メンフィス・ベル」。子供たちを優しく見守る神父でストーリー上、重要な役目を負った「サイモン・バーチ」。真犯人と裏で繋がる組織の元締めで、自分で手は汚さない冷淡さが渋かった「L.A.コンフィデンシャル」。「ザ・ファーム」では主人公の兄役で、トム・クルーズ演じる主人公の性格を表現するのに一役買った。
「激流」のように、「奇跡の人」「黙秘」「マップ・オブ・ザ・ワールド」「戦場に消えたカメラマン」「ショコラーデ」など、ヒロインや重要な登場人物の夫役でもよく見られ、善人悪人の区別なく演じられるところも魅力。
でも、私としては一生懸命に生きている普通の善き人の方が彼には似合う気がする。一番好きなのは「パッション・フィッシュ」。故郷に帰ってきた生きる気力を失ったヒロインは地元民のストラザーンと出会う。心優しい素朴な彼は彼女に人生を再出発するきっかけを与えてくれる。取り立てて大きなことをするわけじゃないけど、彼のにじみ出るような優しい人柄が伝わってきて観ているこっちも癒されるようだった。
傍役でありながらストーリー展開に静かに一石を投じるような印象的な役どころが多く、地味だけどなんとなく彼の顔を思い出せる人は多いんじゃないかと思う。
その彼がいきなり「グッドナイト&グッドラック」で主演を果たす。ジョージ・クルーニーが監督したこの骨太な社会派作品で実在のジャーナリスト、エド・マローを正義感たっぷりに演じた。モノクロの画面に力強さを秘めた表情で、決め台詞の『グッドナイト&グッドラック』。あの重厚感は彼の長い経験が培った重さそのもの。
今後も渋い役どころで、作品にアクセントをくれるストラザーンに期待する。
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