リチャード・ニクソン暗殺を企てた男2006年02月19日 11時25分09秒

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男(2004)
リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXON
2004 米 監督:ニルス・ミューラー
ショーン・ペン ナオミ・ワッツ ドン・チードル マイケル・ウィンコット ジャック・トンプソン ニック・サーシー

ペンはごく普通の男だが嘘がつけない性分で世渡りが下手なために仕事が巧くいかず家庭は崩壊。新しい仕事もまた上司のやり方が性に合わずストレスはたまる一方。事業を起こそうとするも頼みの綱の融資が下りず、挙句に勇み足が裏目に出て相棒が逮捕され兄からは絶縁を言い渡される。彼の失望は怒りに変わりその矛先はTVの中のニクソンに向けられた。

どうしてこうなってしまうのか?彼の何がいけないのか?理不尽にも思える彼への仕打ちは、彼に社会が悪いのだと思わせる意外になくなってしまった。その象徴としてニクソンに向けられて何が悪い?と思ってしまいそうなくらい彼が悲しくてたまらない。
彼の壮絶な最後がある意味彼にとって幸せではないかと思うのは私だけだろうか?
こんなに自分が受け容れられない世の中なら、自分の意思を貫き通したまま死ねるのならばその方が・・・。

こんなに悲しい映画は久しくなかった。号泣する悲しさじゃなく心の底からずっしりと重くて深く突き刺されたような痛みを感じる。

これで決定的にペンの見方が変わった。う~ん、エキセントリックさが目に付いてどちらかといえば苦手だったんだけど、なんか違うじゃん!

初出:2005/9/1(木) 午後 0:55

クリス・オドネル2006年02月19日 11時29分39秒

セント・オブ・ウーマン(1992)
CHRIS O'DONNELL 1970/6/26 USA

映画を観始めた90年代半ばにコンスタントに出演作があってとても馴染みの感じがあるオドネル。
彼のことを一言で表現するならば“いい子”“お坊ちゃま”または“清潔感”“正義感”なんてとこだろうか。
初見はバットマンシリーズのロビンだったけど、その後に観たプレップスクールの生徒を演じた「青春の輝き」「セント・オブ・ウーマン」の印象の方が格段に強いから“いい子”の印象が今になっても拭えない。ロビンだって悪い子じゃないからやっぱりタイプ的には同じか。誰かのために頑張るロビンや「三銃士」「チェンバー」「バーティカル・リミット」など優等生のお手本みたいなキャラクターが続々。お金持ちのお坊ちゃまでも裕福じゃなくても誠実な性格でいい奴。
初期の頃の脇役だった「フライド・グリーン・トマト」「サークル・オブ・フレンズ」「ブルー・スカイ」では主人公のボーイフレンドや兄弟などで“清潔感”あふれる爽やかな好青年。"Boys next door"って言葉ある?そんな感じ。
タイプキャストが続くのを大概の役者は嫌がるけど彼の場合、抵抗無く演じているように感じてしまうのは私だけ?安心して観ていられるので私としてはいいんだけどな。
何本か情けない系のキャラだった「プロポーズ」「クッキー・フォーチュン」には笑ってしまった。コメディだとこういうタイプになるのね。でもやっぱり悪い子にはなれないから、そこんところがクリス・オドネルなんだなーとしみじみ思った。

でもやっぱりマンネリ化に飽きてしまったのだろうか、90年代後半からわりと最近までスクリーンに登場していなかった。プロデューサーに名を連ねたり、TVに出ていたりもする。結婚して子供も生まれて、年齢的にいつまでもいい子っていう年でもなくなってきたかなぁ。
そこにきて2004年に久しぶりにスクリーンに登場したのが「愛についてのキンゼイ・レポート」。リーアム・ニーソン演じる主人公キンゼイ博士の3人の助手でピーター・サースガード、ティモシー・ハットンと共にキャスティングされた。見所はサースガードに持ってかれてハットンと彼は添え物のような存在感だったけど・・・。とりあえず健在なんだなと一安心。30代半ばのくせに相変わらず童顔。変わってないんだこれが。(笑)
ところで彼のキャラクターがどうも“性的に大胆”らしい。前述の通り見た目に変わってないので“そうかー?”と思ってしまったよ。でも、性的嗜好が変態の登場人物に嫌悪を示して部屋を飛び出したり、不穏な雰囲気になる研究仲間たちを冷静に見ていてキンゼイにチクリと進言したり・・・やっぱり根は真面目でいい子だったか!と安心したりして。

童顔だと年齢を重ねてからの役は難しい気がする。どんなキャラクターなら彼を活かせるかなぁと考えるがいまいち思いつかない。30代後半。役者としてはこれからが面白いところだと思う。フィルモグラフィには何本か新作の予定があり、「キンゼイ・レポート」を皮切りの活動再開の予感。実は楽しみだったりする。馴染みの顔なだけに今後の活躍にも期待したい人だ。頑張れオドネル♪

初出:2005/9/11(日) 午前 11:41


既出コメント:

彼が20代前半だった頃の5作品しか見ていないんです。が、本当に“清潔感溢れる爽やかな好青年” どこか、オーランド・ブルームに似た雰囲気もあるかな? めかぶさんの書かれている内容を読むと、最近も変わってないんですね(笑)変わっていなくて嬉しいような、大胆に変身した所も見たいような・・・
2005/9/11(日) 午後 5:00 [ aikirin ]

そうだねー。この路線はオーリがそのタイプかもしれない。久しぶりに見たオドネル君は結局見た目もキャラ的にも変わってませんでした。ハリウッドメジャーばかり出演する割りにあまりハリウッドっぽく染まらない人のような気がします。そこがまた清潔感があるように見えるのかもね。
2005/9/24(土) 午後 11:05 [ mekabucchi ]