ラスト・キングス2005年09月02日 21時09分01秒

ラスト・キングス(1997)
ラスト・キングス SUICIDE KINGS
1997 米 監督:ピーター・オファロン
クリストファー・ウォーケン ショーン・パトリック・フラナリー ヘンイー・トーマス ジェイ・モー ジェレミー・シスト ジョニー・ガレッキ デニス・レアリー クリフ・デ・ヤング

ショーン・パトリック・フラナリーにはまっていた時にimdbで見つけてすっごく観たいと思っていた'97年の作品“Suicide Kings”。日本語で観られる機会はないなと諦めていたら、突然「ラスト・キングス」というタイトルでビデオリリース。レンタルの棚でいきなり見つけてびっくり!こんなこともあるのねー。
フラナリーにジェイ・モー(!)、ヘンリー・トーマス、ジェレミー・シスト、ジョニー・ガレッキの5人がマフィアの大物クリストファー・ウォーケンを誘拐するという話。観てみればなるほどビデオスルーで十分かな?という出来栄えではあったが(笑)キャストを楽しむ分には満足できた。

5人がウォーケンを誘拐したのは、トーマスの妹が何者かに誘拐されて身代金を要求されるが、妹の素行の責任だとして父親が支払を拒否。トーマスが友人たちと、ウォーケンの力と金によって妹を救出しようという考えだ。ところがウォーケンの部下の調べで、どうも5人の中に妹の誘拐に関わっている奴がいるらしいことが判る。ウォーケンとそれぞれの心理戦が始まるというわけだが、この5人がチンピラなのかと思ったら全員がなんといいとこのぼんぼん。作戦を立てたはいいが詰めが甘い!そこがウォーケンのつっこみどころだ。
ジェイ・モーは今作では笑顔を見せず作戦を成功させるべく常にてんぱってる。状況を自分が掌握しておきたいが形勢は劣勢でうろたえぶりが哀しいほど。コメディの素振りも見せない役は珍しいかも。逆にフラナリーはまったく彼らしい役。いきがってるように見えて、ウォーケンに深いところを突かれるとほころびを見せ始める。得意の半泣きの表情炸裂でファンには嬉しいかも。彼が誘拐された彼女の恋人だった(!)ってところもミソ。

5人のうち誰が裏切っているのか?ウォーケンは5人の裏をかけるのか?最後に笑うのは誰?という面白いストーリーなのにもうひとつなのは脚本と監督の責任。ちょっとバイオレンス味もあってスリリングに展開するのかと思ったのにコメディを入れたいのか、心理ドラマにしたいのか焦点がぼけている気がする。トーマスもシストもガレッキもそれぞれいいキャラクターだし、ウォーケンの部下のデニス・レアリーだってもっとすっきりかっこよくしておけばスマートでスリリングな作品になったのに・・・なんかすべてにおいて中途半端なのがものすごくもったいない!
初出:2005/4/18(月) 午後 8:54

ルパート・グレーヴス2005年09月02日 21時22分11秒

禁断のエバ(1999)
RUPERT GRAVES  1963/6/30 UK

彼に目が釘付けになったのは「禁断のエバ」だった。タイトルだけで想像すると妖しい映画かと思ってしまうがまったくそんなことはない。タイトルロールを演じるサマンサ・モートン主演の切ないラブストーリーの英国映画だった。グレーヴスは彼女と惹かれ合う非常に繊細な雰囲気の青年。モートンには夫がいて、この夫が二人の間に流れる空気を察して激しく嫉妬する。挙句、自分を傷つけることで彼女を繋ぎ止めようとするするためモートンの辛さは並々ならぬものになるわけだが、相手のグレーヴスはつとめて冷静で無理にモートンを求めようと行動には出ない。出ないからこそ押さえようとしている気持ちが溢れそうなのが表情にありありと浮かんでいて、ふたりが一緒のシーンは観ていてもの凄く切なかった。この繊細さが少しライナス・ローチと同じようなタイプなのかなと思ったのも惹かれた理由だ。

ところが、この作品でこんな抑えた演技が印象的だったのに他の作品を観てみたら結構エキセントリックな役だったのには驚いた。といってもそんなに数を観ているわけではないのだが、「ハンドフル・オブ・ダスト」「ダロウェイ夫人」。とりわけ戦争により精神を病んでしまった男を演じた「ダロウェイ夫人」は鬼気迫る狂気の演技で痛々しかった。繊細さと紙一重の神経質さを併せ持っていて演じ分けることの出来る人なんだと思う。このギャップはかなり大きいので立て続けに観たりすると驚かれると同時に面白いと思う。
また、最近変わったところで「EX エックス」というアクション系の作品に出ていた。が、彼はアクションは一切していない。エックススポーツシーンを映像にしてCMなどを製作している会社のオーナーかなんかの役で、身体を張るスタッフを尻目に顧客に媚を売って契約を取り付けるような一見いけ好かない奴だったのだが、これが妙に似合っていておかしかった。コメディーパート的な役にもなっていて、こんなタイプもありなんだー。

基本的には「禁断のエバ」のグレーヴスに魅力を感じているので、また切ない彼を観たいのだけどねぇ。本人はどのタイプを気に入って演じているのだろうか?
初出:


既出コメント:

ここ一、二年で「天使も許さぬ恋ゆえに」「英国万歳!」「ダロウェイ夫人」と観る前はずっと「眺めのいい部屋」のおとうとクン、という認識でした。「英国万歳!」の純真な近衛兵が結構好きだったりします。 めかぶさんが度々「禁断のエバ」の話をされるのですごく観たいです。(V・レッドグレーヴの実子ではないと思うのですが・・・もしかして隠し子ですか??)
2005/4/19(火) 午後 10:17 [ kristin65226 ]

クリスティンさん、ご指摘ありがとうございます。どっかで見たか聞いたのをずっと信じて鵜呑みにしてましたが・・・お恥ずかしい!訂正しますー。また何かあったらどんどん言ってください!ブログって訂正が可能なのでありがたいわ。(大汗!)「禁断のエバ」はグレーヴスもだけどモートンが好きです。これの彼女が一番好きかな。「ギター弾きの恋」に近いです、多分。
2005/4/20(水) 午前 0:36 [ mekabucchi ]