ルイーズに訪れた恋は・・・2007年03月29日 08時12分34秒

ルイーズに訪れた恋は・・・(2004)
ルイーズに訪れた恋は… P.S.
2004 米 監督:ディラン・キッド
ローラ・リネイ トファー・グレイス ガブリエル・バーン マーシャ・ゲイ・ハーデン ロイス・スミス ポール・ラッド

39歳のルイーズ(リネイ)の前に、過去に亡くした恋人と同じ名前で、しかも姿もそっくりな男が現れた。15歳も年下の彼に彼女はどうしようもなく惹かれていく。

恋する大人の女のローラの表情がたまらない。もともとローラが好きだというのもあるんだけど、なんだか妙に私の心に入り込んで出て行ってくれなかった、2006年で一番の女性映画。今思えば私が嵌りはじめた女性映画の最初の1本だな。ベスト選出に躍り出た作品だけど、一般評は芳しくない。それはわからないでもない。

いつも知的でクール、強気なキャリアウーマンが十八番のローラが珍しくメロドラマ?と驚いたが、やっぱりそんな簡単なものではなかったか。今回も知的なキャリアウーマン、ルイーズは39歳で離婚したばかり。そんな彼女に訪れた恋は夢のようなものだけれども、ちょっと生々しい39歳の女の現実が待ち受ける。
それが幻のようなものだと頭でわかっていても、相手が15歳も年下の男でも、恋する気持ちは止められない・・・。
しかし、だからといって大人の女は恋にただ無邪気ではいられない。何かと悩ませられる事情が起こり得る。元夫に自身がセックス中毒であることを告白されるわ、親友が嫌がらせのように、昔さながら恋人を奪おうとしてみせるわ…。
"何でよ!"と泣いたり怒ったりする彼女の姿が恐ろしくリアルに感じたのは私だけだろうか?

ルイーズが素直に恋に溺れてもいいものか悩む気持ちはわからなくもない。だけど、大人だから割り切って踏み切れる恋もあるんじゃないかな?何があっても責任の所在が自分にあるのを自覚しているのなら、自分を取巻くイライラを根こそぎ脇に追いやって、その時だけはすべてを忘れて飛び込んでもいい。ってことがあってもいいんじゃないかな?それだけの自分を持っているから。それができるから大人の恋は思い切り大胆にもなれるんじゃないか?素敵な関係が持てるんじゃないか?

ある程度の年齢になると、自分の周りにはうんざりするような悩みや、気に病む事象がひとつやふたつはあるものだ。若いときには勢いで飛び込めたことが出来なくなっていたりするものだ。それは恋に限らず、踏み込めなくて諦めてしまうこともいくつもあるはずだ。
自分の欲しいものや喜びになるものを辛い思いで諦めることは、思った以上に苦しいものだ。ただでさえ背負っている悩みがたくさんあるのに、なぜこれに限ってそんな辛い思いをして諦めなければならないのか?

私は、この映画に"ちょっと待って。諦める前に少し考えてみない?"といわれているように感じた。
それは、なんでもいいから飛び込め!というのとは違う。飛び込むにはそれなりの覚悟も必要だ。その覚悟が、年齢と経験を重ねてきた大人である今だから、それが備わっていればいいんじゃないか?と。
我慢しないで、諦めないで飛び込んで楽になろうよ。大人の貴女ならきっと大丈夫。そう言われているような・・・。

…なーんてな。(笑)